サイバー犯罪摘発件数が増加傾向、一方で相談件数は大幅に減少
県警は17日、インターネットを利用したサイバー犯罪に関する昨年1年間の摘発状況を発表しました。それによると、摘発件数は169件で前年比24件増加し、摘発人数は75人で3人減少しました。この数字は、サイバー犯罪の巧妙化と捜査体制の強化を反映していると見られます。
不正送金被害が深刻化、フィッシングメールが主要な手口に
特に深刻な問題として浮上しているのが、インターネットバンキングを狙った不正送金被害です。昨年は45件の被害が確認され、被害総額は約6592万円に達しました。これは前年比で28件、約1954万円の増加となり、急激な被害拡大が懸念されています。
県警サイバー犯罪対策課の分析では、県内の金融機関を装ったフィッシングメールが大量に送信されたことが、被害増加の直接的な要因と指摘されています。これらのメールは一見本物のように見えるため、多くの利用者がだまされてしまったと考えられます。
摘発件数の内訳と相談件数の減少傾向
摘発件数の内訳を詳しく見ると、「不正アクセス禁止法違反」が15件で前年比6件増加しました。これは他人のIDやパスワードを悪用してログインするなどの行為が含まれます。また、「電磁的記録対象犯罪」が16件で7件増加しており、アクセスしたサイト内の登録情報を不正に書き換えるなどの手口が確認されています。
一方で、サイバー犯罪に関する相談件数は前年より1331件少ない2290件となり、大幅な減少を示しました。この背景には、通信事業会社によるセキュリティ対策の強化や、利用者自身の警戒心の高まりが貢献しているとみられています。県警関係者は「予防対策の効果が現れ始めている可能性がある」とコメントしています。
県警からの注意喚起と今後の対策
県警サイバー犯罪対策課は、市民に対して強い警戒を呼びかけています。「不審なメールを受信した際には、すぐにフィッシングを疑い、安易にリンクをクリックしたり個人情報を入力したりしないでください」と強調しています。また、少しでも怪しいと感じた場合は、速やかに警察に相談するよう促しています。
今後の対策として、県警は金融機関との連携を強化し、フィッシングメールの早期発見と対策に力を入れる方針です。同時に、市民向けの啓発活動をさらに拡大し、サイバー犯罪に対する知識と防御力を高める取り組みを続けていくとしています。