【ワシントン=田中太郎】トランプ米大統領は25日、仮想通貨(暗号資産)に関する規制を大幅に緩和する大統領令に署名した。これにより、仮想通貨取引所や関連企業に対する連邦政府の監視が緩和され、業界の成長を促進する狙いがある。業界団体は即座に歓迎の意を表明したが、消費者保護の観点から懸念の声も上がっている。
規制緩和の内容
大統領令は、証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)に対し、仮想通貨に関する新たな規制の導入を一時停止するよう指示。また、既存の規制の見直しを求め、業界の自主規制を促進する方針を示した。さらに、連邦政府機関は仮想通貨の利用を制限する州法に対して、連邦法の優位を主張することを検討するとしている。
業界の反応
仮想通貨業界の主要団体であるブロックチェーン協会のスミス会長は声明で、「この大統領令はイノベーションを促進し、米国がデジタル経済のリーダーであり続けるための重要な一歩だ」と評価。一方、消費者団体「パブリック・シチズン」は「投資家保護が軽視され、詐欺や市場操作のリスクが高まる」と批判した。
背景と今後の展開
トランプ政権はこれまでも規制緩和を推進してきたが、仮想通貨分野では特に積極的だ。2024年の大統領選挙に向け、仮想通貨業界からの支持を得る狙いがあるとの見方もある。大統領令は即日発効し、今後90日以内に関連省庁が具体的な実施計画を策定する予定だ。
米国では、仮想通貨の普及に伴い、規制の枠組みを巡る議論が活発化している。今回の大統領令は、規制強化を求める声と業界の自由を求める声の間で、政権が後者を選択した形だ。今後の動向が注目される。



