明石川流域で有機フッ素化合物(総称PFAS)の高濃度検出が続く問題について、京都大学の小泉昭夫名誉教授が2026年4月26日、兵庫県明石市で報告会を開いた。同教授は、明石川の水を水道水源とする市東部の住民の血中PFAS濃度が、同川の水を使用しない市西部の住民よりも高く、統計的に有意な差が認められたと発表した。
背景と経緯
明石川流域では2021年、神戸市西区で国の暫定目標値の660倍にあたる1リットルあたり3万3千ナノグラムのPFASが検出され、その後も高濃度が確認されている。明石市水道局は活性炭処理などで水道水のPFAS濃度を暫定目標値(2026年4月から水質基準値)未満に抑えているが、市民の間では健康不安が広がっている。
しかし、丸谷聡子市長は公費による血液検査について「科学的知見がない」「市単独でできるものではない」と否定的な姿勢を崩していない。このため、市民団体「明石神戸PFAS汚染と健康を考える会」と県民主医療機関連合会が2024年7月と2025年12月に実施した県民対象の血液検査データから、明石市民53人分を抽出し、小泉名誉教授に分析を依頼した。
分析結果の詳細
小泉名誉教授によると、明石川の水を水道水に利用する市東部の住民46人と、利用しない市西部の住民7人の血液検査結果を比較したところ、7種類のPFASの血中濃度は、市西部住民が血液1ミリリットルあたり平均10.6ナノグラムだったのに対し、市東部住民は25.3ナノグラムと約2.4倍の値を示した。この差は統計的に有意であり、小泉名誉教授は「水源が影響を与えていると考えられる」と述べた。
今後の展望
報告会に参加した林丸美市議は「公費による血液検査で実態を把握すべきだ」と主張し、約900万円で統計的に有意な300人規模の検査が可能との試算を示した。明石市水道局は昨年度から阪神水道企業団からの受水を開始するなど、明石川での取水停止に向けた取り組みを進めているが、住民の不安は根強い。



