トランプ前米大統領は31日、不法移民対策として、国防総省に対し国境警備のための軍動員権限を付与する大統領令に署名した。これにより、軍は国境での壁建設やパトロールなど、これまで以上に積極的な役割を担うことが可能となる。
大統領令の内容
大統領令は、国防総省に対し、不法移民の流入を阻止するための「あらゆる必要な措置」を講じる権限を与える。具体的には、国境の壁建設の加速、軍用機による監視活動の強化、国境警備隊への支援などが含まれる。また、州兵の動員も可能となり、連邦政府と州政府の連携強化も図られる。
背景と目的
トランプ氏は選挙戦を通じて不法移民問題を最重要課題の一つに掲げ、厳格な対策を公約してきた。今回の大統領令はその公約の第一歩と位置付けられ、就任後初の主要な政策となる。トランプ氏は「我々の国境は再び安全になる」と述べ、国民の安全を最優先する姿勢を示した。
批判と懸念
一方、この大統領令に対しては、人権団体や移民支援団体から強い批判が上がっている。軍の国内投入は「民主主義の原則に反する」との声や、不法移民の扱いが過酷になる懸念が指摘されている。また、軍のリソースが国境警備に振り向けられることで、他の国防任務に支障が出る可能性も議論されている。
民主党議員からは「トランプ氏は恐怖政治を行おうとしている」との批判も出ており、今後の法廷闘争も予想される。移民問題は米国社会の分断を象徴するテーマであり、この大統領令をめぐる議論は今後も続きそうだ。



