中国の動画配信大手である愛奇芸(アイチーイー)が、実在する俳優の顔や声などのデジタルデータを活用して映像作品を制作できる人工知能(AI)プラットフォームを開発したことが明らかになった。このプラットフォームは、ドラマや映画などの制作者向けに提供され、現在100人を超える俳優が登録されている。制作者はこれらの俳優のデータを使用して作品に「出演」させるための交渉を行うことができる。
AI活用の背景と目的
愛奇芸のキョウ宇最高経営責任者(CEO)は4月、AIを一切使用しない作品は「将来、文化遺産のように扱われるかもしれない」と述べ、AI活用の重要性を強調した。また、AIの導入により長期間の撮影が不要になるため、俳優の働き方改革につながると主張している。具体的には、壮大なシーンをロケ撮影なしに数秒で生成できるという。
批判的な意見も存在
一方で、実在する俳優の演技をAIで生成することに対しては、批判的な意見も少なくない。特に、俳優の表現や演技の独自性が損なわれる可能性や、著作権や肖像権に関する問題が指摘されている。また、AIによる演技生成が俳優の雇用機会を減少させる懸念もあり、業界内で議論を呼んでいる。
今後の展望
愛奇芸はこのプラットフォームを通じて、映像制作の効率化とコスト削減を図るとともに、新たな表現の可能性を追求する方針だ。しかし、倫理的な課題や法的な整備が追いついていない現状もあり、今後の動向が注目される。



