ロシアのプーチン大統領は3日、北極圏の液化天然ガス(LNG)開発事業「アークティックLNG2」を巡り、フランスのエネルギー大手トタルエナジーズが保有する10%の権益について、ロシア天然ガス大手ノバテクの子会社による買い取りを承認する大統領令に署名した。この動きは、ロシアが同事業での権益をさらに拡大する意図を示すものとみられる。
事業の権益構造
アークティックLNG2は、ノバテクが60%の権益を保有し、残る40%を複数の企業が分担している。具体的には、日本のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と三井物産が共同で10%、トタルエナジーズが10%、中国海洋石油(CNOOC)と中国石油天然ガス集団(CNPC)がそれぞれ10%ずつを保有している。今回の大統領令により、ノバテク子会社がトタル分の10%を取得することで、ノバテク側の権益は70%に拡大する可能性がある。
背景と今後の展望
プーチン大統領の署名は、ノバテク側が将来的に権益の70%を保有することを見据えた戦略的な動きとみられる。ロシアはウクライナ侵攻後の西側諸国による制裁下で、エネルギー分野における自国の影響力強化を図っている。北極圏のLNG事業は、ロシアにとって重要なエネルギー戦略の一環であり、権益拡大により同地域での支配力を強める狙いがあると分析される。
一方、フランスのトタルエナジーズは、ロシア事業からの撤退圧力に直面しており、今回の権益売却はその流れの一部とも捉えられる。中国企業は引き続き権益を維持しており、今後の事業運営に影響を与える可能性がある。



