黒崎播磨は2日、2030年度までの5年間で総額500億円の設備投資を実施する計画を正式に発表した。これは2025年度までの過去5年間の投資額を約4割上回る規模であり、同社の成長戦略における積極的な姿勢が鮮明となった。
インドと米国での生産強化が柱
投資の主な対象は、製鉄所で使用される耐火物の生産能力拡大である。特に成長市場であるインドと米国に重点を置き、現地での供給体制を強化する方針だ。
インド拠点の拡充
同社は既にインド国内に7つの製造拠点を有している。今回の計画では、これらの既存拠点における生産増強投資を進めるほか、新たな拠点設置を見据えた土地取得も視野に入れている。江川和宏社長は「一定のシェアを獲得しているインド市場でのポジションを確実なものにしていく」と述べ、同国での事業拡大に強い意欲を示した。
米国市場への対応
黒崎播磨は今年春、日本製鉄(日鉄)による株式公開買い付け(TOB)を経て、日鉄の完全子会社となった。日鉄は米鉄鋼大手USスチールの完全子会社化などを通じて米国での積極投資を進めており、黒崎播磨もこれに連動する形で、製品の現地加工に向けた投資を推進する方針を明らかにした。
成長戦略と今後の展望
今回の大規模投資は、世界的な鉄鋼需要の増加を見据えたものだ。特にインドではインフラ整備や自動車産業の拡大に伴い、高品質な耐火物の需要が高まっている。黒崎播磨は、日鉄グループの一員として、グローバルな供給網の強化と競争力の向上を図る考えだ。
同社は今後、耐火物事業を中核に据えつつ、新興国市場でのシェア拡大を目指す。500億円の投資計画は、長期的な成長基盤を構築する上で重要な布石となりそうだ。



