トヨタ自動車が、使用済み電気自動車(EV)のバッテリーをリサイクルするための専門新会社を設立する方針を固めたことが、関係者への取材で明らかになった。年間で約1万台分のバッテリー処理能力を持ち、2027年の本格稼働を目指している。
リサイクル事業の詳細
新会社は、トヨタグループ内でバッテリーリサイクル事業を担う中核企業として位置づけられる。具体的には、回収したバッテリーからリチウムやコバルトなどのレアメタルを高効率で抽出し、再びバッテリー原料として供給する循環型システムの構築を目指す。現在のリサイクル技術では、レアメタルの回収率は約50%にとどまっているが、新会社では新たな技術開発により回収率を80%以上に引き上げる計画だ。
背景と狙い
世界的なEVシフトの加速に伴い、使用済みバッテリーの増加が見込まれる中、資源の安定確保と環境負荷低減が課題となっている。トヨタは、自社でリサイクル事業を手掛けることで、バッテリーのライフサイクル全体でのカーボンニュートラル実現に貢献したい考え。また、リサイクルコストの低減により、EVの販売価格競争力向上にもつなげる狙いがある。
- 新会社名は未定
- 資本金は数十億円規模を想定
- 工場立地は愛知県内が有力
トヨタは2030年までに、全世界で年間350万台のEV販売を目標に掲げており、バッテリー需要の急増に対応するため、リサイクル事業の拡大は不可欠と判断した。業界関係者は「トヨタの動きは、バッテリーリサイクル市場の本格的な立ち上がりを加速させるだろう」と指摘する。
トヨタは今後、パナソニックとの合弁会社であるプライムプラネットエナジー&ソリューションズなど、既存のバッテリー関連企業との連携も強化し、リサイクルから再製造までの一貫体制を整える方針だ。



