東京電力は2日、福島第一原発2号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業を開始した。廃炉の重要工程の一つであり、事故を起こした1~4号機では3基目の取り出しとなる。すでに完了した3号機や4号機とは異なり、水素爆発を起こしていない建屋での取り出し作業は初めての試みだ。2028年度までに全615体の核燃料を敷地内の共用プールに移送する計画である。
作業の詳細と背景
2号機の原子炉建屋上層階にある燃料プールには、使用済み燃料587体と未使用の燃料28体が保管されている。東京電力によると、2日正午にクレーンで燃料を1体ずつつり上げ、水中で「キャスク」と呼ばれる金属容器に収める作業が始まった。キャスクは直径約1.4メートル、長さ約5.6メートルで、1つのキャスクに7体の燃料を収納可能。その後、容器を水中から引き上げ、約30メートル下のトレーラーに慎重につり下ろす。これらの操作は、別の建屋から作業員が遠隔で行う。
安全性への取り組み
核燃料は使用後も強い放射線と熱を放出するため、プールでの冷却が必要だ。しかし、地震やトラブルによる水位低下のリスクを考慮し、東京電力はより安全な共用プールへの移動作業を進めている。2号機は炉心溶融を起こしたが、1~4号機の中で唯一水素爆発が発生せず、建屋全体が原型をとどめている。一方で、放射性物質の多くが建屋内に残留しているため、内部の放射線量は極めて高い。
作業の工夫
高い放射線量のため、建屋内での長時間作業は不可能であり、もともと設置されていたクレーンもメンテナンスが難しい。そこで東京電力は、建屋隣に作業用の高台(構台)を設置し、建屋側面に開けた穴から燃料取り出し用のクレーンを出し入れする方法を採用した。この方法により、遠隔操作で安全に作業を進めることが可能となった。
今回の取り出し作業は、廃炉全体の工程の中で重要なマイルストーンとなる。今後の作業の進捗が注目される。



