WBC地上波放送なしで議論噴出、テレビ各局がユニバーサルアクセス巡り見解
WBC放送めぐり議論、テレビ各局がユニバーサルアクセス巡り見解

国の有識者会議が20日、スポーツ中継の在り方を検討する初会合を開いた。今年3月に行われた野球の国・地域対抗戦WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で地上波放送が行われなかったことを巡り、議論が巻き起こっている。誰もが無料で人気スポーツを視聴できるようにすべきだとする「ユニバーサルアクセス」の考え方に注目が集まり、テレビ各局はその行方を注視している。

NHK会長の見解

NHKの井上樹彦会長は20日午後の定例会見で、「NHKとしても、国民的なスポーツイベントを誰もが見られる機会を作ることは重要な役割だと考えている」と述べた。一方で、「受信料という財源の制約がある中で、高騰する放送権を何が何でも取得するわけにはいかない。その中で、どう両立できるかを模索していかなければならない」と課題を指摘した。また、「一つのアイデアとして、配信事業者と競合するだけでなく、連携も含めた新たな提供の形を模索することも解決策になり得る」と語った。

WBCの放送権問題

今年のWBCでは、米動画配信大手Netflixが日本国内で全試合の独占配信権を獲得。日本が参加したWBCで初めて、地上波中継が行われなかった。この状況に対し、視聴者からは不満の声が多く寄せられた。

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TBS社長の認識

TBSの龍宝正峰社長は3月の会見で、視聴者から「苦情に近いお怒りの意見」を受けたと明かし、「我々の知らないところで権利交渉が進み、結果として期待に応えられなかったことは忸怩たる思いだ」と振り返った。その上で、「スポーツの持続的な成長に放送局は貢献してきたし、今後もできると思っている。我々としてはしっかりと大会にタッチできる状況でいたい」と述べた。ユニバーサルアクセスについては、「様々な意見が出ているのは把握している。オリンピックとしてはありなのではないか。やるとしても日本独自のやり方を研究し、議論していくことになる」との見解を示した。

テレビ東京社長の見解

テレビ東京の吉次弘志社長は4月の会見で、「国民的関心の高いコンテンツを無料放送で届けたい思いはある」と述べる一方、スポーツ大会の放映権料が高騰しているため、「営利企業なので、経済合理性とのバランスは考えざるを得ない」と語った。ユニバーサルアクセスについては「個人的な意見」と断りつつ、「(海外の取り組みを)よく研究した方がいいかなとは思う。(放送局への)一律の義務付けという形になってしまうと、ちょっとどうかなと。個別企業の経営判断の余地を残したようなユニバーサルアクセス権みたいなものが実現可能なのかどうか。議論を注視したい」と述べた。

テレビ朝日社長の見解

テレビ朝日の西新社長も4月の会見で、「先行するイギリスや韓国などの事例をよく研究して、多角的な視点で検討する必要があると思う」と話した。

民放各局の様々な見方

民放各局の間には様々な見方がある。ある幹部は「国が(放映権の)費用を負担するわけではないだろうし、数字(視聴率)が見込めないものまで放送する形になるのは難しい」と指摘する。一方、別の幹部は「ユニバーサルアクセスの制度があれば、知らない間に、配信事業者の独占配信が決まるような状況を防ぐ抑止効果が期待できるのではないか」と期待を寄せている。

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