完全養殖ウナギの味を記者が実食 世界初の一般販売、ふわふわで臭みなし
完全養殖ウナギ実食 ふわふわで臭みなし 世界初販売

絶滅危惧種のニホンウナギの完全養殖に成功してから16年。国を挙げた技術開発の末、ようやく完全養殖ウナギの冷凍かば焼きが一般向けの試験販売にこぎ着けた。29日の販売開始当日、事前に用意していた分が相次いで売り切れるなか、東京・築地の専門店で1尾4500円(税込み)を購入した記者が、その味を確かめてみた。

「世界初」の味を求めて

東京・築地の専門店「山田のうなぎ」前では、開店の数時間前から男女数人が並んでいた。用意されたかば焼きは45尾。販売開始の午前11時時点で並んでいたのは10人程度。世界初の一般販売を前に、「友人と味を確かめたい」「家族と楽しみたい」と笑顔だ。

店に確認すると、販売数にはまだ余裕があるとのことで、1尾(約120グラム)を買った。ウナギは冷凍の真空パックで、銀色の手提げ袋に入れて店員から手渡された。長さ20センチほど。スーパーで見かけるのに比べると、若干小さく見えた。パックにはタレと山椒が入っていた。

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電子レンジで温めるだけ

冷凍のかば焼きはそれまで買ったことがなく、どう調理すればいいのか戸惑った。完全養殖ウナギはイオングループのECサイトでもネット販売されていて、その購入ページに載っている調理法を参考にすることにした。

まずパックから取り出して包丁で三つに切る。皿に小分けにし、ラップをかぶせて電子レンジで温める。1切れあたり1分加熱すると、甘い香りが漂ってきた。

温めたウナギに箸を入れると、さっと身が切れる。試しに一口食べると、ふんわりと柔らかく、独特の臭みもない。二口目は、用意していた白ごはんにタレをかけ、1切れ乗せて食べてみた。タレがよく絡み、ウナギの身の味も伝わってくる。スーパーの特売で買っているウナギに比べたら、臭みもなくふわふわしていて食べやすかった。

ウナギ食文化の大事な選択肢

ただ、あいにく味の濃いものばかり口にしている記者は、必死に「世界初」の味を探してみたものの、うまく見つけることが出来なかった。この日販売された完全養殖ウナギは、相次いで売り切れた。

世界的にウナギの資源管理に厳しい目線が向けられる中、天然のシラスウナギを捕獲せずに済む完全養殖は、ウナギの食文化を維持するのに大切な選択肢だ。ただ、今回は世界初という希少価値で受け入れられた値段だとも思う。コストの壁を越え、より多くの人が味わえる日はいつ来るのか。

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