連載「ポートピア 45年後の未来都市」では、かつて「21世紀の海上文化都市」と呼ばれた神戸市のポートアイランド(港島)の現在と再生への取り組みを追う。2025年5月、市政担当記者(26)は島で開かれた市主催のシンポジウムに参加し、「ポートアイランド・リボーンプロジェクト」について耳を傾けた。このプロジェクトは、市と住民が協力してまちの再生を目指すものだ。
未来都市の誕生と衰退
ポートアイランドは、1966年から15年かけて神戸市が山を削り海を埋め立てて完成させた、当時世界最大の人工島である。コンテナ埠頭、高層住宅、国際交流施設など、エリアごとに異なる機能を備えた「未来都市」として計画された。しかし、現在では高齢化とまちの空洞化が進行し、「ゴーストタウン」とささやかれることもある。
再生への挑戦
記者はこの状況に興味を引き、島の再生に市が20億円を超える税金を投じている事実を知る。住民たちはどのようにコミュニティを維持し、生まれ変わろうとしているのか。虫のような視点で見つめ伝えたいと、記者は島に引っ越すことを決意した。
取材対象の市役所がある三宮へは、ポートライナーで10分。2カ月後、対岸の市中心部から島内の団地に移り住んだ。築40年超、2LDKの部屋の家賃は約7万円。年会費1200円を払い、自治会にも加入した。
島と共に歩んだ人々
島にあるコミュニティーセンターの警備員、後藤安夫さん(80)は「島と一緒に年をとってきた」と語る。1級造園技能士で、ポートアイランド建設に携わった一人だ。記者は彼の案内で島を歩くことになった。
後藤さんは市内の造園会社に勤めていたが、島の緑化に尽力した。彼のような住民たちは、島の歴史と共に生きてきた。しかし、高齢化が進む中で、若い世代の流出や空き家の増加が課題となっている。
住民と行政の連携
ポートアイランド・リボーンプロジェクトでは、住民参加型のワークショップやイベントが開催され、コミュニティの活性化が図られている。また、空き家を活用した新たな居住者誘致や、高齢者向けサービスの充実も進められている。
未来への展望
記者は、島に住みながら、住民たちの日常や再生への取り組みを記録している。かつての「未来都市」が、新たな形で再生する可能性を探る。この連載では、行政と住民が一体となった挑戦を、現場から伝えていく。



