下関市の火の山公園で運行を終えたロープウェーのゴンドラ「まんじゅ号」と「かんじゅ号」の譲渡先が、それぞれ飲食店経営のヒマココ合同会社(下関市彦島海士郷町)と寿工務店(同市大坪本町)に決まった。まんじゅ号は牡蠣小屋、かんじゅ号はモデルハウスの敷地で活用されるが、いずれも撮影可能なフォトスポットとして開放される。
まんじゅ号とかんじゅ号は、いずれも1978年製で高さ約2.4メートル、長さ約4メートル、幅約1.6メートル、重さ1.6トン。名称は同市長府沖に浮かぶ二つの無人島、満珠島と干珠島にちなむ。同公園の再編整備事業に伴い、2024年11月で運行を終了。現在、まんじゅ号は同公園に展示され、かんじゅ号は非公開で保管されている。
市は「新たな場所で活用してもらえれば」と今年4月から無償譲渡先を募集。10の企業・団体・個人から応募があり、うち条件を満たした8者を対象に5月25日に抽選で決めた。
譲渡先の活用計画
市によると、ヒマココ社と寿工務店はともにゴンドラについて、劣化部分を補修する以外はなるべく手を加えず、市民が親しんだ姿を残す考えという。
ヒマココ社は市に提出した企画案で活用目的を「ロープウェーの文化的価値を継承し、彦島の新たな観光資源として再生する」と説明。まんじゅ号については、海沿いの彦島海士郷町の飲食店「牡蠣小屋流王」敷地で個室飲食スペースとして使い、客以外も見学できるようにする。市営渡船・六連島航路の船からも見える配置にし、彦島の新たなランドマーク化を図る。
寿工務店も活用目的として「市の象徴として親しまれたロープウェーの記憶と価値を次世代に継承する」ことを掲げる。かんじゅ号については海を見下ろす上新地4のモデルハウス敷地に置き、来場者や市民らが自由に利用できる交流・休憩スペースとして使用。ロープウェーの歴史や思い出を紹介する写真・解説パネルも展示する。
移設と今後のスケジュール
市と両社は今月上旬に譲渡に関する覚書を締結。まんじゅ号とかんじゅ号は同月下旬に移設され、夏までに実際の活用が始まる見通しという。設置場所はくしくも、海を挟んで向かい合うかたちになり、その距離は約400メートル。この点でも話題を集めそうだ。
5月下旬に譲渡先を発表した前田晋太郎市長は「長年、市民に愛されたゴンドラは“第二の人生”を歩むことになる。移設後も市民の皆さんに親しんでいただければうれしい」と述べた。



