岡山空港が国際線対応強化へ大規模改修 コンコース増設で2便同時受け入れ可能に
岡山空港(岡山市北区)の旅客ターミナル増築工事を予定している岡山県は、国際線の受け入れ体制強化に向けた取り組みを具体化し、基本計画にまとめた。国際線の2便同時対応を可能にし、2032年度の供用開始を目指す。インバウンド(訪日外国人客)を巡る地域間競争に終始せず、さらなる需要を生み出せるか注目される。
基本計画の詳細と拡張イメージ
基本計画では、国際線のコンコースを増設。出入国審査場や税関検査場、手荷物受取所などを拡張して処理能力を上げ、これまで1便分しかなかった対応能力を倍増させる。保安検査場には、複数の乗客が同時に利用できる「スマートレーン」の設置も検討する。
改修後の総面積は現状から約1.4倍の約2万3000平方メートルとなる。内装や外装は、増築後も既存の施設と調和するよう調整する。事業費は計280億~320億円を見込んでおり、今年度は基本設計に着手する。
国際線利用の現状と将来予測
県のまとめによると、国際線の利用者は2018年度の30万人をピークに新型コロナウイルス禍での減便などで落ち込み、その後回復傾向にあるものの、2024年度も24万人にとどまっている。
2018年度は台湾、中国、韓国に1日1便ずつ飛んでいたが、現在は台湾は週12便に増えたものの、韓国は週4便、中国との間は運休中で、減便が伸び悩みの要因となっている。
近年の国内全体の増加傾向や東南アジアの経済発展などから、県はこの先、インバウンドが増え続け、国際線の利用者は2050年度に85万人に達すると予測している。将来の需要をとりこぼさないよう、あらかじめ機能を強化しておくことが、改修の狙いだ。
高松空港との比較と地域連携
対岸の高松空港(香川県)も国際線の同時対応はできないが、瀬戸内国際芸術祭の人気などで需要が増えたことから、着陸時刻をずらして最大1日6便を受け入れている。2024年度の国際線の利用者は、岡山空港の倍の約48万人に上り、混み合う時間も出てきている。
そこで、高松空港は2025年1月から大規模改修に乗り出している。運用面などでの工夫も合わせて同時間帯に3便対応できる体制の整備を目指し、2027年3月の供用開始を予定。高松空港会社の担当者は「需要が多い午前から昼の着陸便を増やせる。各地方空港の能力が上がることで、全体的な回遊性が向上する」と期待する。
岡山県の展望と観光資源の活用
岡山県航空企画推進課の担当者は「岡山にも後楽園やフルーツといった観光資源がある。中四国の結節点で交通の利便性も高い。地方都市を回りたい、リピーターの訪日客にアピールしていきたい」と話している。この改修により、地域の観光振興と国際交流の促進が期待される。



