三原・佐木島に会員制別荘「NOT A HOTEL SETOUCHI」が開業、1口4億円で完売
広島県三原市沖の佐木島で、会員制別荘の開発・運営を手がける「NOT A HOTEL」(東京)が、中四国初進出となるリゾート物件「NOT A HOTEL SETOUCHI」を開業しました。会員権はすでに完売しており、富裕層を中心に年間約8000人の来訪を見込んでいます。地域経済への波及効果が大きく期待されるプロジェクトです。
スタートアップ企業が手がける10拠点目の会員制別荘
同社は2020年創業のスタートアップ企業で、宮崎・青島や群馬・北軽井沢などのリゾート地で企業経営者らを顧客とする会員制別荘を運営しています。佐木島の物件は10拠点目となります。会員権の価格は物件ごとに異なり、佐木島では1口約4億円で売り出され、完売しました。オーナーは1口につき年間30泊まで可能で、他の物件との相互利用もできます。取得3年後に権利を売却可能なため、資産運用目的での需要もあり、今年2月時点のオーナー数は全物件で約1100人に上るとのことです。
世界的建築家ビャルケ・インゲルス氏が設計を担当
同社は島の南西部の丘陵地約3万1700平方メートルにビラ3棟を建設しました。設計は米グーグルの新社屋を手がけた著名建築家ビャルケ・インゲルス氏が担当。地形に沿って円を描くようなデザインで、棟の形状を角度になぞらえ「180」「270」「360」と名付けられています。環境との調和を意識し、壁には島の土を利用し、瓦屋根を模した太陽光パネルを設置。全室がオーシャンビューで、棟ごとにプールやサウナを備えています。
不便さを魅力に、瀬戸内観光の新たな呼び水に
開業前の3月29日にはセレモニーが開かれ、浜渦伸次CEOや岡田吉弘市長ら約70人が参加しました。浜渦CEOは「橋もかかっていない離島の不便さこそが魅力です。島の良さを引き出し、価値を高めることで新たな瀬戸内観光の呼び水にしたい」と語りました。島へのアプローチには専用クルーザーやヘリコプターを用意しています。
ビャルケ・インゲルス氏は「瀬戸内海に浮かぶ島々は、日本の伝統的な風景画を思わせます。絵画を味わうような開放的なパノラマビューと、プライベートの親密な雰囲気を同時に味わえる空間を心がけました。デンマーク出身として、北欧と日本それぞれの良さが融合したハイブリッドな建築物になった」と満足そうに述べました。
市長が誘致に尽力、地域活性化に期待
岡田市長は自ら誘致に動き、浜渦CEOの現地視察に同行して進出を働きかけました。別荘での地元食材の利用や、周辺観光地の集客増などが期待され、岡田市長は「島や市が世界から注目されるきっかけになります。チャンスを生かせるよう情報発信に取り組みます」と意気込みを語りました。このプロジェクトは、観光と経済の両面で広島県の地域活性化に大きく貢献することが見込まれています。



