京都府舞鶴市沖に浮かぶ冠島の老人嶋神社で1日、海の安全と豊漁を祈願する伝統行事「雄島参り」が執り行われた。この行事は、舞鶴市の小橋、三浜、野原各地区に伝わる歴史ある催しで、漁業関係者や地元の市立大浦小学校の児童ら約120人が参加した。
大漁旗を掲げて冠島へ
参加者は大漁旗を掲げた漁船12隻に分乗し、無人島である冠島へ向かった。島の神社では、神職が祝詞を奏上する中、参加者たちがお神酒やマダイなどの供え物を捧げ、次々と拝礼を行った。厳かな雰囲気の中、海の安全と豊漁への願いが込められた。
天然記念物の冠島
冠島はオオミズナギドリの繁殖地として知られ、国の天然記念物に指定されている。そのため、オオミズナギドリの調査やこの雄島参りを除いて、一般の渡航は制限されている。雄島参りは100年以上の歴史を持ち、2006年には水産庁が定める「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に認定された由緒ある行事である。
参加者の思い
参列した60代の男性は「今年も何とか安全と豊漁をお祈りすることができた」と安堵の表情を見せた。一方で、参加者の高齢化が進む現状について「知恵を絞って、これからも長く続く行事にしていきたい」と気を引き締め、伝統の継承に意欲を示した。
この雄島参りは、地域の漁業関係者にとって欠かせない年中行事であり、海の恵みに感謝し、安全を祈る重要な機会となっている。今後も地域ぐるみでこの伝統を守り続けることが期待される。



