「岐阜まつり」総合調査報告書を刊行、5年の成果を結集
「岐阜まつり」総合調査報告書刊行、5年の成果

岐阜市は、伊奈波神社一帯で毎年4月に開催される「岐阜まつり」に関する総合調査報告書(A4判、324ページ)を刊行した。民俗学、歴史学、建築学など各分野の専門家らが約5年にわたって調査した成果をまとめたもので、市は今後、より上位の文化財指定を目指すとしている。

岐阜まつりの歴史と変遷

岐阜まつりは、伊奈波神社の例祭神事と4月の第1土曜日・日曜日に行われる行事である。慶長年中(1596~1615年)には24台の山車が曳かれていたとされるが、1891年の濃尾地震や1945年の岐阜空襲で多くが焼失し、現在は4台のみとなった。また、1959年の伊勢湾台風ではからくり人形が破損するなど、山車にも被害が生じた。

これまでの文化財指定

市は、まつりで出される4台の山車を市重要有形民俗文化財にそれぞれ指定し、2019年には「伊奈波神社祭礼に伴う岐阜まつり行事」を市重要無形民俗文化財に指定した。さらに、岐阜まつりの価値を明確にするため、2021年度に「岐阜まつり文化財検討委員会」を設置。専門家たちは2025年度にかけて、担い手や参加者への聞き取り調査に加え、山車4台、からくり人形9体、木造町神輿を詳細に調査してきた。

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報告書の内容

報告書は全ページカラーで、歴史、山車、からくり人形、お囃子などを全9章にわたってまとめている。戦前には金神社や溝旗神社など周辺の神社から伊奈波神社に向けて神輿などが行き来する「町全体のまつり」であったことや、まつりで披露される「お囃子」の由来やルーツも詳述されている。

また、山車の平面図や断面図、からくり人形の部品構成図、お囃子の楽譜も掲載。まつり当日の山車が練り歩く時間ごとの動きを記録した詳細な同行記録も収録されている。

専門家の評価と市の展望

報告書の中で専門家は「岐阜まつりは無形民俗文化財としての価値がある」と評価。市の担当者は「地域の方々が岐阜まつりを愛する思いや、次世代へ引き継いでいこうとする姿も岐阜まつりの価値として捉えている。多くの人に価値を知ってもらいたい」と述べている。

報告書は、市立中央図書館など市内の図書館や公民館で閲覧できる。

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