伊勢市歴史博物館が4月25日に開館 お木曳車の実物展示やVR映像で郷土の歴史を紹介
三重県伊勢市が同市岩渕に整備していた郷土資料館が、4月25日に「伊勢市歴史博物館」として開館することが決定しました。市文化政策課が2月12日に開かれた市議会総務政策委員協議会で明らかにしたものです。この博物館は、伊勢神宮外宮近くにある「いせ市民活動センター」の北館2階に設置され、展示面積は約778平方メートルとなります。
常設展示室の7つのコーナーと展示の目玉
常設展示室は235平方メートルの広さで、以下の7つのコーナーが設けられます。
- 伊勢の地形と自然
- 伊勢参りの変遷と隆盛
- 大湊と造船
- その他の歴史的展示
展示工事費は約6億3000万円が投じられ、その目玉となるのが、伊勢神宮の式年遷宮で社殿を建て替える用材を運ぶ「お木曳車」の実物展示です。このお木曳車は、長さ6メートル、幅2.5メートル、高さ4.5メートル、重さ1.4トンという大型のもので、背景にはお木曳行事の動画がプロジェクターで投影されます。2033年に予定されている式年遷宮に向け、2026年5月から始まる民俗行事「お木曳」を紹介する重要な展示となります。
多彩な展示内容と教育・観光機能
常設展示室では、お木曳車以外にも以下のような展示が行われます。
- 市内で発掘された土器や岩石の標本
- 江戸時代に参宮客をもてなした御師の関係資料
- 御師邸の仮想現実(VR)映像
- 災害と戦争に関する写真や文書
さらに、館内には文化観光案内エリア(74平方メートル)が設けられ、伊勢うどんを始めとする伊勢の食文化、伊勢春慶や根付といった伊勢の伝統工芸などを紹介します。地域学習エリア(40平方メートル)では郷土の図書や映像を集め、多目的ルーム(57平方メートル)では講座などが実施される予定です。
市の取り組みと今後の展望
市の担当者は協議会で、「歴史博物館の専用ホームページを作成するほか、SNSなどを使って広く情報を発信する計画です。子どもたちに郷土の歴史文化を学ぶ機会を提供するため、学芸員による訪問授業なども実施したいと考えています」と述べました。また、「一般市民に加え、多くの観光客や地元の子どもたちに訪れてもらいたい」と期待を込めています。
観覧料は一般300円、高校生以下無料となっており、開館時間は午前9時から午後5時まで(入館は午後4時半まで)、水曜日は休館日です。この博物館の開館により、伊勢市の歴史と文化をより深く学び、体験できる新たな拠点が誕生することになります。