故新川和江さんを顕彰する詩碑が結城市「ゆうき図書館」前にお目見え 代表作「わたしを束ねないで」を紺色で刻む
新川和江さん詩碑お披露目 結城市「ゆうき図書館」前で

戦後女性詩人の功績を称える詩碑が故郷結城市に完成

茨城県結城市出身で戦後を代表する女性詩人、故新川和江さん(1929~2024年)を顕彰する詩碑が4月22日、同市の「ゆうき図書館」前でお披露目された。この日は新川さんの誕生日に当たり、親交のあった地元関係者らが集い、除幕式が執り行われた。

紺色の文字で刻まれた代表作「わたしを束ねないで」

詩碑は高さ約1メートルで、1966年に発表された新川さんの代表作「わたしを束ねないで」が、本人の字体そのままに刻まれている。生前に愛用していた紺色のインクの万年筆にちなみ、文字も紺色で仕上げられたのが特徴だ。

除幕式で小林栄市長は「この詩碑は時代を超え、自分らしく生きることの大切さを私たちに語りかけてくれます。先生の故郷として、豊かな文化を未来につなげていきたい」と述べ、新川さんの文学的功績と郷土への貢献を称えた。

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地域に根ざした詩人の生涯と功績

新川さんは旧絹川村(現結城市)生まれ。1983年に創刊した詩誌「現代詩ラ・メール」は女性の表現の場を大きく広げ、1993年の終刊まで多くの詩人を育んだ。同年には日本現代詩人会初の女性会長に就任し、2000年には勲四等瑞宝章を受章している。

2004年には市内の愛好者らと詩の研究会「センダンの木の集い」を創設。代表の関和代さん(82)は「先生から指導を受けたというよりは、人生を語り合う家族のような存在でした」と懐かしむ。新川さんは東京から私費で集まりに参加していたという。

関さんは「先生の作品を後世につなぎ、多くの人が心豊かな人生を送ってほしいという願いを詩碑に込めました」と語り、顕彰の意義を強調した。

故郷への深い愛情と文化的遺産

新川さんは結城市民の歌や結城東中学校歌を作詞するなど、上京後も故郷に思いを寄せ続け、2001年には名誉市民に選ばれた。ゆうき図書館には、新川さんから寄贈を受けた約1万冊の本や「わたしを束ねないで」の直筆原稿、幼少期の写真などが展示されている。

新川さんの名前を冠した詩のコンクールは2024年度を最後に終了したが、市はそれに代わる顕彰事業を2026年度に計画しているという。詩碑の完成は、地域文化の継承と発展に向けた新たな一歩となった。

式典に参加した関係者らは「郷土を愛した人だったので、何よりも喜んでいると思います」と感慨深げに語り、詩碑がこれからも多くの人に新川和江さんの詩の世界を伝えていくことを願っていた。

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