侍ジャパン合宿で発揮されるダルビッシュ有の多面的な役割
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた日本代表「侍ジャパン」の合宿が2日目を迎えた中で、チームアドバイザーを務めるダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)の存在感が早くも際立っている。その役割は単なる技術的助言に留まらず、選手たちのメンタル面を支え、自信を醸成する効果をもたらしていることが明らかになった。
藤平尚真投手への具体的な声かけとその影響
この日のブルペン入りした藤平尚真(東北楽天ゴールデンイーグルス)に対して、ダルビッシュは「藤平君は(打者からすると)特殊なフォームだから、しっかり調整できれば大丈夫」と直接声をかけた。藤平は当初の代表メンバー30人から漏れていたが、平良海馬(埼玉西武ライオンズ)のけがによる辞退を受け、2月11日に追加選出が発表された経緯がある。
オフシーズン中はWBC公式球で練習していた藤平は、一度はメンバー落選したため通常のプロ野球用ボールに戻し、再選出後は再びWBC球に切り替えるという難しい調整を余儀なくされていた。そんな状況下でダルビッシュからの言葉は、大きな安心材料となったという。
藤平は「一言、一言に重みがあって、自信につながる」と振り返り、ベテラン投手からの励ましが心理的支えとなったことを明かした。
メンタル面でのサポートと伴コーチの教え
ダルビッシュのアプローチは、昨年日本一を達成した福岡ソフトバンクホークスの伴元裕・メンタルパフォーマンスコーチの手法を想起させる。伴コーチは「メンタルは強い、弱いという単純なものではない」と強調し、選手と共に課題を整理することで、落ち着いたプレー環境を整えることに注力していた。
ダルビッシュも同様に、技術指導だけでなく、選手の心理状態に寄り添い、自己肯定感を高める役割を意識的に果たしていると観察される。これは、国際大会という高いプレッシャーがかかる環境において、特に重要な要素と言える。
WBC大会の概要と今後の展望
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、日本時間2026年3月5日(金)から3月18日(水)にかけて開催される予定だ。侍ジャパンはこの大会に向けて調整を重ねており、ダルビッシュのような経験豊富なアドバイザーの存在が、若手選手を含むチーム全体の士気向上に貢献している。
井端弘和監督の下、ダルビッシュがブルペンで種市篤暉投手の投球を見つめる姿は、技術伝承の象徴的な光景となっている。今後も、彼の多角的なサポートが侍ジャパンの戦力強化にどのように影響していくか、注目が集まっている。