今春から高校野球に導入された指名打者(DH)制が、選手や指導者から高い評価を得ている。千葉県内の高校も春の県大会や関東地区大会で積極的に活用し、投手の負担軽減や打撃力向上などの効果が報告されている。
選手の声:打撃に集中、疲労軽減
関東地区大会準々決勝でDHとして出場した専大松戸の吉田颯人選手(2年)は、「守備で貢献できない分、打撃でチームを勝利に導きたい」と意気込む。DH制導入後、守備練習の時間を打撃練習に充てるようになり、「守備の疲労が減り、打撃に集中できる。スイングが力強くなった」と効果を実感。春の選抜大会ではDHとして大会史上初の本塁打を放った。
投手陣からも好評だ。専大松戸のエース門倉昂大投手(3年)は、従来打撃練習に充てていた時間を走り込みやピッチング練習に変更。「打撃練習で手をけがする可能性がなくなった」と喜び、試合中も「投手としての調整に集中できる」と語る。
指導者の見解:戦略の幅が拡大
指導歴50年以上の持丸修一監督は、「DH制導入で攻撃の戦略の幅が広がった。投手の疲労軽減やけがのリスク低下にもつながる」と攻守両面でのメリットを強調する。読売新聞のまとめでは、春の県大会で48校中41校がDHを起用。中軸打者に起用するケースが半数以上を占めた。
拓大紅陵の坂巻展行監督は「守備は苦手だが打撃が得意な選手の長所を生かせる」と評価。同校の二宮楽投手(3年)はDH制導入後、より長いイニングを投げられるようになり、「暑い日でも集中して準備できる」と感謝する。学館浦安のエース大家雅史投手(3年)は右ひざのけがを抱え、「出塁すると走る必要があり、負担軽減につながった」と振り返る。
強豪校ほど恩恵?課題も
一方で、選手層が厚い強豪校ほどDH制の恩恵を受けやすいとの指摘もある。ある学校の監督は「うちは選手層が薄いので、投手の打撃力にも頼らざるを得ない。DHの恩恵はあまり感じられない」と本音を漏らす。
DH制は夏の県大会でも採用される。県高校野球連盟の沢村史郎専務理事は「選手の出場機会が増え、投手も投球に集中できた。いいことずくめだった」と春の大会を総括し、「夏はさらに暑い中での試合。選手の負担軽減につながるはずだ」と期待を寄せた。



