広陵高等学校(広島市)の硬式野球部で発生した暴力事案について、同校は28日、第三者委員会による調査報告書の概要を公表しました。報告書では、上級生による被害生徒への集団的な暴力行為がいじめに該当すると認定され、元監督の不適切な発言も指摘されました。
事案の概要
調査対象となったのは、2025年1月に寮の自室で禁止されている即席麺を食べた1年生(当時)に対し、複数の2年生(同)が殴るなどの暴行を加えた事案です。弁護士3人で構成される第三者委員会は、関係者への聞き取りなどを実施し、5月18日に報告書を同校に提出しました。
認定内容
公表された報告書の概要によると、被害生徒は「上級生から集団で暴行を受けた」と主張する一方、加害生徒側は「各自が単独で暴行に及んだ」とし、集団での暴行を否定するなど、主張に食い違いが見られました。また、被害生徒は高野連への報告を巡り、元監督から「対外試合がなくなってもいいんか」と圧力を受けたと主張。これに対し元監督は「励ましなどの声かけをしたにすぎない」と反論していました。
第三者委員会は、関係者の供述の具体性や一貫性、客観資料との整合性、利害関係などを総合的に判断し、上級生による集団での暴力行為が行われたと認定。これはいじめ防止対策推進法上のいじめに該当し、学校側は直ちに対応すべきだったと指摘しました。元監督についても、高野連への報告がチームの不利益につながるという趣旨の発言があったと結論付けました。
原因分析
事案が発生した原因として、野球部は元監督の指導方法を客観的に検証する機能や、寮のルールが時代に適合しているかを点検する機能が働きにくい閉鎖的な組織だったと分析。学校側については「閉鎖的な環境を長期間放置した」と指摘しました。
同校は「厳粛に受け止め、環境整備に努める」とコメントしています。なお、同校はこの事案を巡り、誹謗中傷がSNSで広がったことなどから、2025年8月の全国高校野球選手権大会で初戦突破後に出場を辞退しています。



