元横綱照ノ富士、弟子への暴力で最下位格へ降格 伯乃富士の不適切行為が発端に
弟子への暴力行為により、元横綱照ノ富士の伊勢ヶ浜親方が、日本相撲協会臨時理事会で降格と報酬減額の懲戒処分を受けました。この処分は、定年後再雇用者の「参与」を除く親方の階級としては最下位の「平年寄」への降格を意味します。理事会では、親方が事案を速やかに協会に報告したことや動機、常習性のなさなどを総合的に判断したとされています。
暴力のきっかけは伯乃富士の不適切行為
暴力の対象となったのは、幕内力士の伯乃富士です。相撲協会コンプライアンス委員会の調査によると、伯乃富士は泥酔状態で女性に不適切行為を働いていたことが明らかになりました。さらに、調査では「以前にも同様のトラブルを起こし、外出を禁止されたこともあった」と指摘されています。師匠の伊勢ヶ浜親方は、「トラブルが再び起きると伯乃富士が現役を続けられなくなる」と心配し、「何らかの仕置きをしなければ後援者らに対する示しがつかず、この場を収めることもできない」と考えたことが暴力のきっかけになったと説明されました。
師弟そろって謝罪 部屋閉鎖は免れる
理事会後、伊勢ヶ浜親方と伯乃富士は、東京都内の伊勢ヶ浜部屋前でそろって謝罪しました。伊勢ヶ浜親方は「多くの方にご迷惑、ご心配をおかけして本当に申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げ、伯乃富士も「軽率な行動により、相撲協会にご迷惑をおかけし、世間の皆様を大変騒がせてしまった」と反省の言葉を述べました。
師匠による弟子への暴力を巡っては、過去に部屋閉鎖などの措置が取られた例があります。しかし、協会の暴力禁止規程では、禁止行為を自主申告した場合は「情状を酌量して、懲戒処分を減軽または免除することができる」と定められています。この規定を踏まえ、理事会は部屋閉鎖を免れる判断を下しました。
異例の集団指導体制を導入
伊勢ヶ浜親方は師匠の座にとどまるものの、理事会は「継続的に(親方への)指導を行う必要がある」と判断しました。具体的には、弟子の指導について、先代師匠である宮城野親方(元横綱旭富士)を含む部屋付き親方4人との集団指導体制を取るよう命じました。さらに、部屋を当面の間、協会と所属する伊勢ヶ浜一門の指導、監督下に置き、定期的に状況を確認するという異例の対応が取られました。
この措置は、暴力行為の再発防止と、部屋全体の規律強化を目的としています。相撲協会は、コンプライアンスの徹底と、力士の行動規範の遵守を強く求めており、今後の経過を注視していく方針です。



