サッカーJ2ジュビロ磐田の百年構想リーグは残り1試合となった。今大会は監督が交代し、負傷者が相次いだ。成績が低迷する中、怪我で離脱することなく過ごしながら、チームで唯一、一度もメンバー入りできなかった選手がいる。大卒加入3年目のGK中島佳太郎選手だ。久しぶりに話を聞くと、明るく雄弁に語るいつもの姿があった。
練習で120%の力を
手と足を使うGKに求められる技術は多い。「時間が足りないぐらい」と中島選手。GK陣の練習はフィールド選手が登場する前に始まり、フィールド選手が引き揚げても終わらない。磐田ユース時代にもしのぎを削った1歳下のGK西沢翼選手との居残り練習は1時間以上続く。ユニホームは勲章のように常に泥だらけだ。
「プロに入った時から、次のワールドカップに出ると決めている。その目標から逆算して日々がある。この半年間、試合に出られていないけど、この環境で120%の力を常に出す準備をして臨み、成長速度が上がっている感覚がある」。毎日の学びを書き留めるノートの文字量は、別のクラブに期限付き移籍していた昨年より倍増した。
恵まれた環境
磐田の若手GKは列島、いや地球上で最も恵まれているかもしれない。元日本代表の川口能活コーチら指導者は2人、しかもそれぞれ利き足が異なる。左右から繰り出す精度の高いシュートを受けられる。選手に目を向ければ元日本代表の川島永嗣、J1クラスの三浦龍輝、阿部航斗の3選手がいる。
「この環境は本当に幸せ」。そう語る中島選手の長所はシュートを止める反応の速さだ。最近はロングキックの正確性にも磨きをかける。ただ、それだけでは試合に出られず「あらためて、唯一無二の部分をこのクラブでつくらないといけないと思っている」。
控えGKの厳しい現実
控えGKの出場が限られるのはポジションの特殊事情もある。試合では怪我や退場宣告を受けるアクシデントがない限り、交代枠が使われないからだ。かくして、少ないチャンスをものにし、一躍脚光を浴びるGKは少なくない。「下を向いたヤツが負ける世界なんで、ここは。常に前を向いて突き進むしかない」。「常に」が口癖の24歳に虚栄心や過度な気負いはない。
プレーオフ最終戦へ
J2磐田は6日、明治安田J2・J3百年構想リーグの31~32位を決めるプレーオフ最終戦をヤマハスタジアムでFC大阪と戦う。FC大阪はロングボールを主体に攻め、球際で体をぶつけてくる。磐田が苦手とするタイプで、接点の攻防が勝敗を分ける。



