桜井心那選手、米国女子ツアー挑戦へ「まずは1勝したい」 苦悩乗り越え進化の軌跡
桜井心那選手、米国女子ツアー参戦「まずは1勝したい」

桜井心那選手、米国女子ツアーへ挑戦 苦悩を乗り越え「進化」の道のり

女子プロゴルフで国内ツアー通算5勝を挙げる桜井心那選手(22)が、今シーズンから米国女子ツアーへの参戦を開始する。長崎市出身の若きスターは、2023年にブレイクした後、スランプに陥るも、スイングの微調整を重ねて復活を果たした。読売新聞の取材に応じ、不振期の苦悩とともに、世界最高峰の舞台で戦う決意を明かした。

海外への憧れと出場権獲得

桜井選手の米国女子ツアー出場権は、昨年12月に米国で開催された最終予選会を通過して手に入れた。海外ツアーへの憧れは、2022年にインドネシアの大会に招待出場した際に芽生えたという。「海外の上手な選手たちがキラキラと輝いて見え、かっこよかったです。また、選手とギャラリーが気軽に会話するオープンな雰囲気も素敵だと感じました」と振り返る。

快挙からスランプへ

プロ2年目の2023年、19歳で迎えたシーズンで桜井選手は快挙を達成。7月に国内ツアー初勝利を飾り、年間4勝を記録。10歳代で通算3勝以上を挙げたのは、宮里藍さん、畑岡奈紗選手に続く3人目となり、大きな注目を集めた。「前年にステップアップツアーで5勝して勢いがあり、負けるわけがないという自信もありました」と当時を語る。

しかし、その勢いは長く続かず、翌2024年の序盤にスランプに突入。ティーショットの平均飛距離が250ヤードを超える飛ばし屋として知られるが、得意のドライバーで苦戦。持ち球のフェード(左から右に曲がる球筋)が打ち出しから右に抜ける状態が続き、「スイングがわからなくなった」と困惑した。応急処置としてドロー(右から左に曲がる球筋)を打つも満足なプレーができず、年間12試合で予選落ちする結果に終わった。

苦悩と転機

前年とは打って変わった成績に、周囲から「どうしちゃったの」と声をかけられることも多かった。「毎週試合が続き、休みたいと思うこともありました」と、当時の苦しさを明かす。転機となったのは、2024年秋から目沢秀憲コーチのサポートを受けたこと。それまで感覚頼りだったショットを、データを活用して仕組みを理解しながら打つようになり、2025年シーズン前半はスイングを微調整しながら試合に挑戦。結果は出なかったものの、「進化できている」という実感を得ていた。

特に苦手意識のあったアプローチは大幅に改善。球をすくう打ち方からクラブヘッドを上から入れる打ち方に改め、スピン量をコントロールできるようになった。精度が向上したアプローチを武器に、2025年8月には約2年ぶりの勝利を挙げ、「勢いで勝った2023年とは価値が違う」と自信を深めた。

米国ツアーへの意気込み

プロ5年目での米国女子ツアー挑戦について、桜井選手は「もう少し早く行きたかったという思いもある」としつつも、不調期にもがき苦しみ、自身のゴルフをより理解した上で臨めることを踏まえ、「今のタイミングでよかった」と前向きに捉えている。

米国女子ツアーは1月下旬に開幕し、12月中旬まで米国を中心にアジアや欧州なども転戦する。出場は前年のポイント上位者が優先されるため、予選会通過者の桜井選手は序盤、出場機会が限られる見込み。初戦は3月5日から8日にかけて中国・海南島で開催されるブルーベイLPGAとなる予定だ。

ツアーではシーズン途中に獲得ポイントに応じて出場優先順位を入れ替える「リシャッフル」が行われるため、桜井選手も出場した試合で確実にポイントを重ねれば、出場機会が増える可能性がある。「自分がやれることをやれば、結果はついてくると思います。まずは1勝したいですね」と笑顔で語り、不安よりもワクワク感を抱いて新たな世界に踏み出す。

九州出身選手の活躍に期待

近年、ゴルフの米国女子ツアーでの日本選手の活躍は目覚ましく、今シーズンは15人が参戦する見通しだ。九州出身者では、桜井選手のほか、竹田麗央選手(22)と勝みなみ選手(27)もツアーを回る。

熊本県出身の竹田選手は桜井選手と同学年で、プロテスト合格の同期生。2024年に国内ツアーで8勝して年間女王に輝くと、昨シーズンには主戦場を米国女子ツアーに移した。昨年3月のブルーベイLPGAで早速勝利を挙げ、トップ10に8回入るなど、ツアールーキーながら力を十分に発揮している。

鹿児島県出身の勝選手は今シーズンで本格参戦4年目。まだ優勝はないものの、昨シーズンはAIG全英女子オープンで2位を記録するなど、トップ10に6回入り、ポイントランキングで自己最高の18位に入った。

桜井選手とも交友がある2選手とともに、九州勢が米国女子ツアーでどのような戦いを見せるか、期待が高まっている。