岩手県紫波町を拠点とする男子社会人バレーボールクラブチーム「OWLS(アウルズ)岩手(前・岡崎建設OWLS)」が、11月に開幕する国内アマチュアトップの「日本バレーボールリーグ(Vリーグ)」に参戦する。チームは紫波町と連携協定を締結し、選手たちは地域課題の解決に取り組むボランティア活動を担いながら、新リーグの試合会場やSNSで町の魅力を発信する。
農作業ボランティアで地域と交流
先月9日、町内の農園には選手や15歳以下のアカデミー生ら約30人が集まり、農作業のボランティアに参加した。約200平方メートルのジャガイモ畑で、約30キロ分の種芋を植え付け、夏には約300キロの収穫を見込む。収穫されたジャガイモは秋以降、町内の小中学校の給食で提供される予定だ。農園を営む高橋哲也さん(48)は「選手と農作業の時間を共有し、応援したいと思った。試合も見に行きたい」と笑顔を見せた。
普段は銀行員として働く仲村将大副主将(27)は、これまで練習のために花巻市の自宅から紫波町に通っていた。今後は幅広く町民と交流することになり、「練習させてもらっている町に改めて感謝したい。農作業を手伝うことで親近感がわいた」と額の汗をぬぐった。
東北屈指の強豪、4度の日本一
2002年創設のクラブには18歳から35歳の選手18人が所属し、公務員や教員など職種もさまざまで、大学生もいる。町の「オガールアリーナ」を拠点に、火曜と木曜の夜、土日に練習を行っている。チームは昨年の全日本バレーボールクラブ選手権で4度目の日本一に輝くなど、東北屈指の強豪として存在感を示してきた。
2020年からは、チームを運営する株式会社「岩手バレーボールコミッション」が、地域活性化を目的とした町との連携事業「バレーボールでつながるまちプロジェクト」を開始。国際親善試合の誘致や障害者向け教室など、バレーボールを通じたまちおこしを進めてきた。
「地域インフラの一部を担う」
今回の連携協定は、プロジェクト強化の位置づけとなる。岡崎希裕部長は「単なるバレーボールチームではなく、地域のインフラの一部を担う」と強調し、「試合の日のにぎわいではなく、日常の中で人と人をつなぐ仕組みを作る」と将来を見据える。
選手たちは小学生の学習支援に加え、高齢者の買い物代行や雪かき、スマートフォン操作の支援など、さまざまなボランティア活動に取り組む予定だ。住民と交流を図りながら、地域におけるチームの存在感を高めていく。
ミドルブロッカーで会社員の藤田陸都選手(27)は「ボランティア活動を通して、町に興味を持ってくれる人が増えたらうれしい」と交流人口の増加に期待を寄せる。新リーグでは優勝を目標に、「頑張っている姿を見せて、応援してくれる人を増やしたい」と力を込めた。
Vリーグとは
日本バレーボール協会が発足させる新リーグ。開催期間は11月から来年3月までで、男子は秋田や香川など16チーム、女子は北海道や福岡など8チームが参加する。男子は東西各地区の総当たり戦で、東西上位2チームが準決勝に進み年間王者を決める。社会人として働きながらより高いレベルで競技を続け、地域密着のリーグとして地域社会の貢献などを目的とする。



