「なんで無いんだ」怒鳴る客も…自治体指定ゴミ袋が品薄、背景に中東情勢と買いだめ
自治体指定ゴミ袋が品薄、中東情勢と買いだめ影響

中東情勢の混乱を背景に、全国の自治体指定ゴミ袋が品薄となっている。原料となるナフサ(粗製ガソリン)の供給不安から消費者が買いだめに走ったためだ。メーカーは例年通りの生産を維持しているが、不安は収まらず、店頭では購入制限や代替袋の使用容認などの対応が広がっている。

店頭で怒号も、買いだめが加速

千葉県市原市のスーパー「Tマート」では5月下旬、市指定ゴミ袋が売り切れた陳列棚を前に、買い物客が店員に「なんで無いんだ。メーカーに注文しろ」と怒鳴る場面があった。棚には「お一家族様1点限り」の貼り紙が並ぶ。店によると、品薄は4月中旬から始まり、毎日約10セットずつ小出しに補充してもすぐに売り切れる。この1カ月の販売件数は前年同期の約10倍に急増し、在庫は底をつきかけている。

買い物に来た市内の女性(68)は「購入制限前に10セット、たーんと買ってしまいました」と話す。きっかけは姉からのLINEで「近くのホームセンターでゴミ袋がほとんどない」と知らされたこと。すぐに店へ走ったという。女性は「コロナ下でマスクが手に入らなかった。コメ不足も経験した。国や市に大丈夫と言われても信用できない。無くなったら困るのは自分でしょう」と語る。店の担当者も「マスクやコメの経験から、見つけたら買っておくという生活防衛心理が働いている」と分析する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

自治体が代替袋容認に踏み切る

市原市では4月中旬から品薄に関する問い合わせが増え、5月22日時点で計255件に達した。市は4月下旬、指定ゴミ袋以外にも中身の見える透明または半透明の袋の利用を認めた上で、「例年と同程度の数量が安定的に供給されている」とし、冷静な行動を呼びかけている。同様の動きは各地に広がり、静岡市は5月19日から当面の間、市指定以外の袋の使用を認めた。製造元に在庫はあるものの、一時的な品薄や在庫切れが発生しているためだ。秋田県北秋田市、茨城県龍ケ崎市、千葉県流山市なども同様の対応を取っている。

環境省「必要以上の購入控えて」

指定ゴミ袋が手に入りづらくなった原因について、環境省は5月中旬に国内供給シェア9割を占めるメーカーや商社28社に聞き取りを実施。その結果、今後も「例年通り供給できるだけの原料は調達できている」との回答を得た。実際、4月の出荷量は前年比1.1~2.0倍に増加している。一方、購入量は一時的に1.2~3.0倍程度に増えており、環境省は買いだめが品薄の主因とみている。静岡県裾野市の村田悠市長も記者会見で「品薄になっているのは、誰かが大量に買っているから」と指摘した。

この状況について、環境省は「必要以上の購入は控えてほしい」と国民に呼びかけている。しかし、過去のパンデミックやコメ不足の記憶が消費者の不安をあおり、買いだめの連鎖が続いている。指定ゴミ袋の品薄は、中東情勢という地政学的リスクが、日常生活に直接的な影響を及ぼす一例となっている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ