福島県中小企業団体中央会が実施した調査によると、県内の中小企業における2025年度の賃上げ率は平均3.5%となり、前年度の3.2%から0.3ポイント上昇したことが明らかになった。この調査は県内の中小企業約500社を対象に行われ、有効回答は約300社から得られた。
賃上げの背景と要因
賃上げ率の上昇は、深刻化する人手不足への対応が主な要因とみられる。特に製造業や建設業、サービス業などで人手確保が難しくなっており、企業は人材流出を防ぐために賃金引き上げを余儀なくされている。
業種別の傾向
- 製造業:平均3.8%で、全業種で最も高い賃上げ率を示した。技術者不足が顕著で、高い賃金での人材確保が進んでいる。
- 建設業:平均3.6%で、公共工事の増加や技能労働者の不足が背景にある。
- サービス業:平均3.4%で、飲食店や宿泊業を中心に人材確保のための賃上げが進んでいる。
- 小売業:平均3.2%で、他の業種に比べてやや低い水準だが、前年からは上昇している。
企業規模別の状況
従業員数別に見ると、従業員数が50人以上の企業では平均3.7%、20人以上50人未満では3.5%、20人未満では3.3%と、規模が大きいほど賃上げ率が高い傾向にある。これは、大規模企業ほど収益力が高く、賃上げ余力があるためと分析されている。
今後の見通し
調査では、2026年度以降も賃上げを計画している企業が全体の約7割に上り、人手不足の長期化により賃上げ傾向が続く見通しである。しかし、原材料費やエネルギーコストの上昇が企業収益を圧迫しており、賃上げの持続可能性には課題も残る。
福島県中小企業団体中央会は、「賃上げは人材確保に効果的だが、コスト転嫁や生産性向上の取り組みが不可欠」と指摘している。



