野焼き慣習が招く大規模林野火災、徳島県の実験で危険性を実証
野焼き慣習が招く林野火災、徳島県の実験で危険性実証

野焼き慣習が大規模林野火災を引き起こす危険性、徳島県の実験で明らかに

わずかな稲わらに風を送ると、真っ赤な炎がみるみる広がっていく。これは、徳島県の公式チャンネルで公開された、野焼きを想定した燃焼実験の動画だ。屋内での実験で稲わらの量は少量だったが、担当者は「野焼きは気象の影響を受けやすく、風があると消火が困難」と警告しており、その危険性を実感させる内容となっている。

野焼きから広がる火災が相次ぎ、自衛隊の災害派遣も発生

徳島県内では、今年に入って県消防防災ヘリが出動する火災が5件発生した。このうち2件は野焼きから広がったもので、陸上自衛隊に災害派遣を要請した事例も含まれている。県は市町村との会議を開き、県民への注意喚起を強化するよう求めたが、課題は根深い。

昨年は全国で大規模な林野火災が相次いだ。特に岩手県大船渡市で昨年2月に起きた火災は、鎮火まで1か月以上を要し、延焼範囲は約3370ヘクタールに及び、平成以降で国内最大規模となった。出火原因の多くは、山林近くでの野焼きやたき火といった人為的なもので、近年は地球温暖化に伴う乾燥の影響も指摘されている。

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消防庁や自治体の対策も「慣習」の壁に直面

大船渡の火災を受け、総務省消防庁は、市町村長が条例に基づき、火災リスクが高まった時に林野火災警報や注意報を発令する枠組みを設けた。徳島県も昨年11月から、独自の林野火災アラートを運用している。しかし、ある自治体の担当者は「注意を呼びかけても、『野焼きは慣習』として聞く耳を持たない人もいる」と明かしており、警報発令が十分に機能する状況とは言い難い現状がある。

火の扱いは難しい。林野火災はひとたび起きると、延焼を免れず、鎮火にも長時間を要する。「慣習」という言い訳は通用しない。県と市町村が緊密に連携し、警報やアラートの意義を周知し、県民の危機意識を高める工夫が求められている。

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