労災遺族年金の男女格差を解消へ 農林水産業も強制適用に
政府は4月7日、労災で亡くなった人の配偶者らが受け取る遺族補償年金の支給に関する年齢要件を撤廃し、男女格差の解消を図ることを柱とした労災保険法改正案を閣議決定しました。この改正は、女性の就業率上昇や共働き世帯の増加を背景に、1965年の制度創設以来となる大きな変更となります。
遺族年金の年齢要件撤廃で男女平等に
現行制度では、夫を亡くした妻は年齢に関係なく遺族補償年金を受給できますが、妻を亡くした夫は死亡時点で原則55歳以上でなければ受け取れません。これは、夫と死別した女性の生計維持が困難との考えに基づいていました。しかし、社会の変化を踏まえ、改正案ではこの年齢要件を完全に撤廃し、配偶者の性別にかかわらず平等な支給を実現します。
小規模農林水産業への強制適用拡大
さらに、改正案では労働者5人未満の小規模な農林水産業に対し、労災保険の強制適用を拡大することが盛り込まれました。これまでこれらの事業は「暫定任意適用事業」として任意加入が認められていましたが、近年の第1次産業における労災の深刻化を受け、労働者保護の拡充を図ります。
主な改正点は以下の通りです:
- 遺族補償年金の年齢要件撤廃による男女格差解消
- 小規模農林水産業への労災保険強制適用
- 脳・心臓疾患など一部疾患における労災認定の時効延長
社会の変化に対応した歴史的改正
厚生労働省によれば、この改正は女性の社会進出が進み、共働き世帯が増加している現状を反映したものです。制度が創設された1965年当時とは社会構造が大きく変化しており、それに合わせた見直しが求められていました。政府は、改正により労働災害に遭った遺族への支援をより公平かつ充実させるとしています。
改正案は今後、国会での審議を経て、2026年4月の施行を目指します。これにより、約60年ぶりの労災補償制度の大改革が実現することになります。



