奈良市立鼓阪小学校と佐保小学校の統合再編計画をめぐり、奈良市は佐保小の名称を「市立若草小学校」に変更し、鼓阪小の項目を削除する市立学校設置条例の改正案を、6月8日開会の市議会6月定例会に提出する方針を固めた。市は佐保小の敷地内で新校舎の建設を進めており、2027年4月の開校を目指している。
鼓阪小の過小規模化が背景
奈良市によると、鼓阪小の児童数は6学年合計で66人(5月1日現在)。市の学校規模適正化方針では、児童数100人未満の学校を「過小規模」と分類しており、鼓阪小はこれに該当する。市は「早期に集団活動ができる人数を確保し、教育環境を整える必要がある」として、近隣の佐保小との統合再編を決定した。
統合により、新設される若草小学校では、適正な規模での教育活動が可能となり、児童同士の交流や多様な学習機会の提供が期待される。市教育委員会は、統合によって教育の質を向上させると説明している。
保護者からの根強い反発
一方、鼓阪小に通う児童の保護者らからは、統合計画に対する根強い反発が続いている。市議会は3月定例会で、「当事者との合意形成がなされないまま、計画が市教育委員会によって一方的かつ拙速に進められている」として、計画の見直しを求める請願を採択。さらに、2校の閉校にかかる経費を計上した今年度の当初予算案を認めず、経費を減額する修正案が可決された。
保護者の中には、鼓阪小の歴史や地域との結びつきを重視し、統合に反対する声が根強い。また、統合後の通学距離の増加や、新しい環境への適応に対する不安も指摘されている。
市は補正予算案に経費を再計上
市は条例改正案の提出に合わせ、6月定例会に提案する今年度の補正予算案に、閉校に伴う記念品などの製作経費(270万円)と、運行するスクールバスに関わる経費(120万円)を再び計上した。さらに、鼓阪小の跡地活用を検討するための経費(607万円)も盛り込んだ。
市教育委員会の担当者は「新しく開校する学校に安心して通ってもらえるように、必要な予算を確保したい」と理解を求めている。跡地活用については、地域のニーズを踏まえた検討を進める方針だ。
今後のスケジュール
市は2027年4月の若草小学校開校を目標に、新校舎の建設工事を進める。条例改正案が市議会で可決されれば、正式に校名が決定する。しかし、保護者との対話が不十分との批判もあり、今後の市の対応が注目される。



