東京都の小池百合子知事は4日、東京23区の大学の定員増を2027年度末まで原則禁じる地域大学振興法について、「若者の選択肢を制限することは、自己実現の可能性だけでなく、日本全体の成長力を狭める」と批判する見解を発表した。都は今後、改めて規制の撤廃を国に求める方針を示した。
小池知事の批判のポイント
小池氏は、国の有識者会議が同法の規制延長を巡る議論を本格化させることを受け、コメントを公表した。その中で、「学生の学びの機会が制約されるとともに、大学改革にも大きな支障が生じている。若者が地域を超えて学び、挑戦することは、将来の地域社会への貢献にもつながり得るものであり、積極的に確保されるべきだ」と指摘した。
地域大学振興法の概要
同法は地方大学の活性化を始めとする地方創生の観点から、全国知事会の要望も受けて2018年に成立した。23区内での新たな学部・学科の設置や、学部の定員増を2027年度末まで禁じている。一方で、デジタル分野の人材育成を掲げ、2024年度からデジタル関連の学部などに限り、特例的に増員を認めている。
都の見解と規制の効果への疑問
都政策企画局によると、地方大学への進学者の割合は2000年以降、全体の58~60%で推移しており、都は「地方の大学に進学する学生の割合にほとんど変化がなく、規制の意味はあるのか」と疑問を投げかけている。
大学への影響調査
都が今年実施したアンケートでは、23区に立地する大学68校のうち、41校が規制の影響を受けたと回答。「新学部の新設を断念した」「規制が足かせとなり、長期的な計画が立てられない」との声が寄せられた。また、都外の高校生や大学生からは「東京で新しい価値観で学びたい人の意欲が低下する」「地方の大学の魅力を上げるべき」といった声もあったという。



