兵庫県三田市農村部の高平地区から、神姫バスの路線バスを活用して同市川除のJA兵庫六甲農産物直売所「パスカルさんだ一番館」まで野菜を運ぶ「貨客混載」の取り組みが、開始から5年を迎えた。29日には直売所で記念イベントが開かれ、生産者らが自ら新鮮な野菜を販売した。
高齢生産者の負担軽減、貨客混載の歩み
高平地区から市中心部の直売所までは約10キロの距離がある。高齢化が進む生産者にとって、毎回の出荷は大きな負担となっていた。そこで神姫バスとJA兵庫六甲が連携し、2021年5月から貨客混載の本格運行を開始した。
運行は毎週火曜と金曜の午前11時過ぎに、停留所「高平小学校前」で野菜などのコンテナを路線バスに積み込み出発。終点の三田駅北口で乗客を降ろした後、直売所最寄りの停留所まで回送として届ける。この積み荷は、早朝に出荷された野菜が品薄になる昼頃から店頭に並ぶため、買い物客からも好評だという。JAの集計によると、2025年度はコンテナ759個分が出荷された。
5周年記念イベント、生産者と買い物客が交流
29日のイベントでは、キャベツやピーマン、トマトなどの野菜、おこわなどの総菜がコンテナ33箱で運ばれた。特設テントのほか、神姫バスの車両内にも野菜が並べられ、多くの買い物客が品定めを楽しんだ。
運行開始当初、生産者団体「三田野菜・産直の会高平支部」の代表だった古池静雄さん(75)は、「このバスがあるから、今も元気に野菜を作っている高齢者がいる。元気の源で、よく5年続いた」と笑顔を見せた。
今後の展望:バス路線維持と出荷量拡大
5周年イベントは11月と2027年1月にも予定されている。JA兵庫六甲では、バス路線維持のためにも、野菜を載せるバス停を増やすなど、貨客混載での出荷量拡大を検討している。



