北海道新幹線、採算割れの危機 財務省が1.2兆円の費用増で指摘
北海道新幹線が採算割れ 財務省が1.2兆円費用増で指摘

北海道新幹線の採算性に重大な懸念 財務省が費用増で指摘

北海道新幹線の札幌までの延伸工事が、深刻な採算割れの危機に直面しています。財務省は4月23日、財政制度等審議会において、この事業の費用対効果が基準を下回り、工事中止の検討を迫られる水準にまで落ち込んだと厳しく指摘しました。昨年12月に判明した事業費の大幅な増加が、この判断の背景にあります。

事業費が最大1.2兆円膨張 軟弱地盤などが原因

問題の核心は、工事費の急激な膨張にあります。建設主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構によれば、新函館北斗―札幌間の事業費は、当初の約2.3兆円から最大約3.5兆円へと、実に1.2兆円もの増加が見込まれています。この大幅な費用増の要因としては、資材価格や人件費の高騰に加え、トンネル掘削中に軟弱地盤や岩塊に遭遇し、工事が長期化したことが挙げられています。

整備新幹線の着工には、建設によって利用者やJRが得られる「便益」を数値化し、事業費で割った費用対効果が「1」を上回ることが条件とされています。しかし、財務省が今回の事業費増を踏まえて再試算した結果、未工事分の費用対効果は0.9となり、得られる効果が費用を下回る採算割れの状態に陥っていることが明らかになりました。

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2016年開業区間の先にある課題

北海道新幹線は、新青森―新函館北斗間が2016年に開業し、現在は札幌までの延伸工事が進められています。この延伸区間の完成は、北海道の経済活性化や観光振興に不可欠と期待されてきましたが、今回の財務省の指摘は、その前提を揺るがす重大な問題を浮き彫りにしています。

国土交通省では、工事の長期化や費用増に対応する方策を模索しているとみられますが、財政規律を重視する財務省との間で、今後の対応を巡る議論が活発化することは避けられない情勢です。事業の継続には、さらなる費用削減や便益の見直しが求められる可能性が高まっています。

この事態は、単に一つの鉄道事業の問題にとどまらず、大規模公共事業の採算性や費用管理の在り方に対しても、大きな問いを投げかけるものと言えるでしょう。今後の動向から目が離せません。

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