宍道湖の厄介者・藻や水草を固形燃料に
松江市の宍道湖漁業協同組合と廃棄物処理会社「アースサポート」は、宍道湖の環境保全と資源循環の推進を目的とした協定を締結した。この協定に基づき、水質やシジミ漁に悪影響を及ぼす藻や水草を漁協と同社が共同で回収し、同社が固形燃料の原料として活用する。この取り組みを通じて、宍道湖の環境美化、廃棄物削減、そして脱炭素社会の実現に貢献することを目指している。
藻や水草の大量発生がもたらす問題
漁協によると、宍道湖では近年、夏場を中心にシオグサやオオササエビモといった藻や水草が大量に発生している。これらの藻や水草が枯死すると、湖底にヘドロのように堆積し、シジミの成長を阻害するだけでなく、漁船のスクリューに絡まって操業を妨げるなどの問題を引き起こしている。漁師たちは5月から10月までの休漁日に刈り取り作業を余儀なくされており、多大な労力と処理費用が発生していた。
アースサポートの提案と研究開発
こうした状況を知ったアースサポートは、2024年冬に、同社が製造する固形燃料に藻や水草を混ぜ合わせて活用することを漁協に提案した。同社は古紙や廃プラスチックを主原料とする固形燃料の製造実績があり、そのノウハウを活かして昨年6月から研究開発を開始。その結果、従来の燃料原料に10%程度の藻や水草を混ぜても、品質に問題がないことが確認された。昨年11月までには、約10トンの藻や水草を無償で受け入れ、燃料に混合した。
漁協の負担軽減と資源活用
漁協は従来、刈り取った藻や水草を焼却処分しており、量が多い場合には十数万円の処理費用が発生していた。漁協の桑原正樹参事は「金銭的な負担が軽減されるだけでなく、宍道湖の資源を有効活用できるため、非常に意義深い取り組みであり、感謝している」と述べている。今年も5月から新シーズンの回収が開始されており、同社は漁協からの要請があれば、受け入れ量をさらに増やす方針だ。西村圭介常務は「この取り組みを通じて、地元の課題解決に貢献できれば」と話している。



