農作物残渣からバイオコークス事業化へ、共和町が産学官連携で循環型農業実現目指す
農作物残渣からバイオコークス事業化、共和町が産学官連携

北海道共和町は、産学官の連携により、農作物の残渣を活用した固体燃料「バイオコークス」の事業化を本格的に始動させた。この取り組みでは、農業用ビニールやプラスチックなどの廃棄物をコークス製造の燃料として有効活用するほか、燃焼後に発生する灰を農地に還元することで、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「ゼロエミッション」と循環型農業の実現を目指している。

もみ殻や稲わらを活用

道内では幌加内町がそば殻を使ったバイオコークスの事業化を進めているが、共和町は全国どこでも調達可能なもみ殻や稲わらなど、稲作や畑作から出る残渣を原料とする点が特徴だ。事業には、関連分野で実績のあるJAきょうわ、ホクレン、いすゞ自動車、いすゞエンジン製造北海道、北海道大学が協力。町とこれら5者で構成する「町バイオコークス事業検討コンソーシアム」を4月1日付で設立した。

2024年度には、JAきょうわの協力を得て町内で発生する農作物や農業資材の残渣量を調査。年間1万トン以上に上ることが判明した。バイオコークスの開発者である近畿大学の井田民男教授がこれらの材料を試作した結果、廃ビニールや廃プラスチック(年間計約300トン)を除いた原料から、有用なコークスが製造可能であることが確認された。発熱量は灯油換算で380万リットル分以上に相当するという。

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農業資材廃棄物も活用

廃ビニールや廃プラスチックは、コークス製造時の乾燥や圧縮に必要な電力の代替燃料として活用し、生産コストの低減につなげる。コークス燃焼後に生じる灰にはミネラルが豊富に含まれているため、地力が低下した農地に還元する還元剤や肥料として利用する。この循環が実現すれば、廃棄物や温室効果ガスの排出を限りなくゼロに近づけられるだけでなく、低コストでの農作物生産が可能になると期待されている。

町役場で20日に行われたコンソーシアムの協定締結式で、成田慎一町長は「稲わらを燃やす煙でせき込む子どもの姿を見たのが原点。道内全域で展開できる事業となるよう、先進的な役割を果たしたい」と意気込みを語った。

町は6月初旬までに、北海道の補助事業「ゼロカーボン・イノベーション導入支援事業」に応募する予定。採択されれば、来年度からバイオコークスの製造を開始し、ホクレンの製糖工場やいすゞのアルミ溶解工場で、石炭コークスや天然ガスの代替燃料としての有用性を実証する計画だ。

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