クマ被害が過去最悪の水準に 2025年度速報値で死者13人含む238人
環境省は4月7日、2025年度における全国のクマによる人的被害の速報値を公表しました。その結果、被害者数は238人、うち死亡者は13人に上り、いずれも過去最多を記録しました。これまでの最多記録であった2023年度の被害者219人、死亡6人を大幅に上回る深刻な状況が明らかとなりました。
政府の対策強化も被害拡大に歯止めかからず
深刻化するクマ被害に対応するため、政府は昨年11月に対策パッケージを改定しました。この中では、狩猟免許保有者を公務員として任用する「ガバメントハンター」の人件費補助などが盛り込まれています。さらに、今年3月には地域ごとの捕獲目標数などを詳細に定めたロードマップ(工程表)を策定し、対策の具体化を図っています。
しかし、これらの対策にもかかわらず、2025年度の被害は過去最悪の水準に達しています。環境省関係者は「生息域の拡大や気候変動の影響など、複合的な要因が重なっている」と分析しており、根本的な解決にはさらなる時間と対策が必要と見られています。
地域別の詳細データと今後の課題
速報値では、被害が特に集中した地域についての詳細な分析も行われています。山間部を中心に、住宅地へのクマの出没が増加しており、人身被害に繋がるケースが多発しています。専門家は「餌不足や生息環境の変化が背景にある」と指摘し、長期的な生態系の管理が急務であると訴えています。
政府は、ガバメントハンターの活用に加え、住民への注意喚起や防護柵の設置支援など、多角的な対策を強化する方針です。今後は、ロードマップに基づいた捕獲目標の達成と、被害防止のための啓発活動が重点的に進められる見込みです。
環境省は、最終的な確定値は今後精査される予定ですが、現時点で過去最多の被害が確認されたことから、早急な対応が求められています。国民に対しては、山間部での活動時には十分な注意を払うよう呼びかけています。



