成田空港用地問題 強制収用に慎重姿勢 千葉県知事「地権者の理解を」
成田空港用地問題 強制収用に慎重姿勢 知事が理解求める

成田空港滑走路拡張 強制収用に慎重論 地元自治体が地権者理解を重視

成田国際空港の滑走路新増設を巡る用地問題で、成田国際空港会社(NAA)が未取得土地に対する強制収用の検討を表明したことに対し、千葉県の熊谷俊人知事や地元市町長が慎重な姿勢を示している。4月10日に成田市で開催された成田空港滑走路新増設推進協議会で、NAAの藤井直樹社長は「土地収用制度の活用も必要と考えている」と述べ、強制的手段の可能性に言及した。

用地取得率は約9割 未取得部分で協議が難航

協議会は非公開で行われ、NAA側は全体の用地取得率を89.7%と説明。特に新設が計画されているC滑走路(3500メートル)の取得率は88.7%に留まっており、残る地権者との交渉が難航している実態が浮き彫りになった。一方、B滑走路の延伸部については用地確保が完了し、2029年度内の先行利用開始を目指す方針が示された。

会合後、熊谷知事は報道陣に対し、「強制収用の検討が必要な状況は受け止めるが、まずは残る地権者への丁寧な説明を尽くし、理解を得る努力をしてほしい」と強調した。過去の空港建設時に激化した反対闘争を念頭に、「地域に説明がなされなかった過去の状況とは異なる」と指摘し、透明性のあるプロセスを求めた。

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地元市町長も任意取得の継続を要請

未取得土地が残る芝山町の麻生孝之町長は、NAAに対して地権者の不安や不満に誠実に向き合い、「解決に向けた提案」を促した。地権者の課題は多様であるため、「まずは話を聞くことが大切だ」と述べ、個別対応の重要性を訴えた。

多古町の平山富子町長も「任意取得の取り組みを最大限努力してもらいたい」と注文。NAAの説明や具体的な提案によって納得する地権者もいるとし、「交渉をやり尽くしてほしい」と求めた。地元自治体全体として、強制的手段よりも合意形成を優先する姿勢が鮮明となった。

NAAは地元理解を重視しつつ収用制度の活用を検討

藤井社長は会合後、「土地収用制度の活用について地元の理解を進めたいが、前提として県や周辺市町からの意見を受け止め、任意取得に向けた努力をさらに進めたい」と述べた。インバウンド需要の増加を見据えた滑走路の延伸・新設計画は昨年着工しており、今後の用地取得の進捗が課題となっている。

この問題は、航空需要の拡大と地域住民の権利保護のバランスが問われるケースとして注目を集めており、今後の協議の行方が注目される。

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