能登半島地震被災地向け住宅プラン半数超が値上げ、最大541万円上昇 中東情勢影響
能登半島地震被災地向け住宅プラン半数超値上げ、最大541万円上昇

現場から住宅プラン半数超、最大541万円値上げ 中東情勢、能登の復興に影

2026年5月23日 13時00分 有料記事 永井啓子 森岡みづほ

中東をはじめとする国際情勢の混乱に伴う建築資材の高騰が、能登半島地震の被災地にも深刻な影を落としている。被災者向けの住宅として石川県が発表したモデルプランの半数超が値上がりし、中には元の価格の2割にあたる541万円も上昇したケースもある。この状況は、これから本格化する復興に大きな影響を及ぼす可能性がある。

被災者の悲痛な声

5月上旬、輪島市で被災者向けモデルハウスの見学会が開かれた。訪れた60代の男性は「中東情勢の悪化で建築資材の値上がりに拍車がかかり、再建にはかなり悪いタイミングだ」と嘆く。男性は輪島塗の下地塗りを専門とする職人で、仕事場を兼ねた自宅は全壊。現在は妻と80代の母親の3人で仮設住宅に暮らしている。仕事は近くの空き家を借りて続けており、月収は30万円弱だ。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

自宅再建の計画では、1階に仕事場と母の部屋が必要で、2階建てを希望。建設費は約3千万円と見込む。うち2千万円は貯蓄や補助金で賄い、残り1千万円は高齢者向けのリバースモーゲージ型住宅ローンを利用する予定だ。このローンは自宅を担保に借り入れ、毎月利息のみを支払い、死亡後に自宅を売却して元金を返済する仕組み。

生活費を考慮すると、毎月の利息支払いは2万円以下に抑えたいが、建設費が予算を超えれば支払額も増加する。男性は「2~3年後には仮設住宅を出て新居で暮らしたいが、元の場所は災害リスクが高いため新しい土地を探す必要もあり、まだ計画を立てられない」と不安を募らせる。

モデルプラン半数超が値上がり

地震では石川県内で約2万5千棟の住宅が全半壊した。県は昨年3月、自宅再建を目指す被災者向けに、県内の設計・施工業者が提案した戸建て住宅のモデルプラン55案を発表。廊下をなくす、建具に規格品を使うなどしてコストを抑え、概算工事費は1480万円~3630万円だった。

しかし今年4月、55案のうち半数を超える28案で概算工事費が40万円~541万円上昇。最も安い案でも1600万円になった。坪単価は55案の平均で約7%上昇し、約113万5千円となった。

資材調達見通せず、着工まで1年以上

複数のモデルプランを示したものの、資材調達の見通しが立たず、着工まで1年以上かかるケースも出ている。建設業界では、中東情勢の悪化による原油価格高騰が樹脂や鋼材などの価格を押し上げ、さらに物流の混乱が供給を逼迫させている。被災地では住宅再建の遅れが懸念され、自治体や国による追加支援が求められている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ