20代・30代が詐欺被害に急増、孤独が影響か 警察データで判明
20代・30代が詐欺被害急増、孤独が影響か 警察データ

若者世代に広がる詐欺被害の実態

神奈川県内で、警察官を装った特殊詐欺の被害が20代・30代の若年層に急拡大している。警察庁のデータによると、2025年には警察官かたりの被害件数が約1万件と過去最多を記録。被害者の年齢層別では30代が最も多く、20代がそれに続き、両世代で全体の36%を占めた。従来の高齢者中心の被害像が覆されつつある。

愛知県警の調査が示す社会的孤立の影響

愛知県警が2020年度に実施した調査では、地域の行事や会合に参加する友人が少ない人ほど詐欺被害に遭う確率が高いことが判明。調査を担当した名城大学の原田知佳教授は「気軽に相談できる社会的つながりが被害を防ぐ可能性がある」と分析する。この調査の対象者は平均年齢70代後半だったが、同様の傾向が若年層にも当てはまる可能性が指摘されている。

スマホ普及がもたらす人間関係の変化

早稲田大学の石田光規教授は、若者の孤独感を高める要因としてスマートフォンの普及を挙げる。SNSを通じて人間関係が選別され、ブロック機能で容易に断ち切れる不安定なものになったため、対立や疑いを避ける傾向が強まっているという。「権威ある警察官を名乗られると、信じ込みやすくなる」と石田教授は警鐘を鳴らす。

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実例:神奈川県出身の31歳男性のケース

2025年、神奈川県出身の31歳男性は警察官をかたる詐欺で240万円をだまし取られた。仕事のため長野県で独り暮らしをしており、相談できる相手は身近にいなかった。男性は「一度も疑わなかった。今思えば怪しい点はいくつもあった」と振り返る。

演劇で詐欺防止を呼びかける高齢者グループ

川崎市の有馬老人いこいの家では、詐欺防止をテーマにした演劇を続けるグループ「ショーアイランド」が活動している。平均年齢80歳のメンバーは、もともと健康マージャンの仲間だった。きっかけは、友人が350万円をだまし取られた話。リーダーの大島登世さん(83)は「孤独のつらさは分かる。だから独居の友人を公演に招いている」と話す。公演後には「次は一緒にやりましょう」と声をかけるという。

孤独感の実態と今後の対策

内閣府の「人々のつながりに関する基礎調査」によると、孤独感が「常に」または「しばしば」あると答えた人の割合は20代・30代が最も高く、6~7.9%に上る。愛知県警の調査では、固定電話での被害は前年並みだったが、携帯電話経由の被害が2.2倍に増加。スマホを通じた接触が若年層の被害拡大に影響している可能性がある。専門家は、地域コミュニティの再構築や、若者向けの啓発活動の強化が必要だと指摘している。

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