モーター大手ニデックによるTOB(株式公開買い付け)を巡るインサイダー取引事件で、金融商品取引法違反罪に問われた三田証券元役員の仲本司被告(52)の初公判が4日、東京地裁(駒田秀和裁判官)で開かれた。仲本被告は「黙秘いたします」と述べ、弁護側は起訴内容について「十分な証拠開示を受けていない」などとして争う姿勢を示した。
検察側の冒頭陳述
検察側は冒頭陳述で、仲本被告が無登録で投資運用業を営んでいた松木悠宣被告(44)=同罪で公判中=にTOBに関する未公開情報を伝えた見返りとして、利益の40~50%を要求していたと指摘。報酬として500万~3000万円の現金を数回にわたり手渡しで受け取り、計約1億5000万円を得たとしている。
起訴状の内容
起訴状によると、仲本被告は松木被告らと共謀し、令和6年8月28日ごろ、ニデックが工作機械大手「牧野フライス製作所」へのTOBを決定したとの未公開情報を知り、同年9月6日~12月26日にかけて、牧野フライス株計32万9100株を計約23億4980万円で買い付けたとされる。また、仲本被告は別の企業の株でも不正取引をしていたほか、5銘柄の株式について売買を繰り返して株価を変動させる相場操縦の罪にも問われている。
弁護側はこれらの起訴事実について、証拠開示が不十分であるとして争う方針を示しており、今後の審理が注目される。



