深流Ⅺ・控訴審に問われるもの:裁判員が見た山上被告の「あきらめ」と異常事件の本質
深流Ⅺ・控訴審に問われるもの:裁判員が見た山上被告の「あきらめ」

連載「深流Ⅺ」の第1回では、一審で裁判員を務めた30代男性の証言を通じて、山上徹也被告(45)の内面に迫る。男性の目には、山上被告が「抜け殻」のように映り、淡々と受け答えを続け、すべてを「あきらめている」ように見えたという。

山上被告の「あきらめ」の象徴的な瞬間

象徴的だったのは、安倍晋三元首相が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体に送ったメッセージ動画を見たときの気持ちについて問われた際の答えだ。「困る、という感情ですかね」と、山上被告は述べた。その程度の感情で、教団幹部への殺意を安倍氏に向けたのか。裁判員らが質問を投げかけても、疑問を氷解させるような言葉は出てこなかった。

情状酌量を得ようとする弁護団と対照的に、本人には「理解してもらおう」という熱意がうかがえなかったと男性は振り返る。

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生い立ちと事件の関連性への疑問

男性は、「生い立ちがどれぐらい本人の人格や考え方に影響しているのか、いまいちわからなかった」と述べる。幼いときの逆境と、元首相の銃撃。そこに至る心理的なプロセスを解明する手法として「情状鑑定」がある。鑑定をしていたら、どうなっていたのか。取材班はそれを知るため、第…

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