仏ラ・アーグ再処理工場、厳重警備で稼働 日本は六ヶ所村で遅延続く
仏ラ・アーグ再処理工場、厳重警備 日本は六ヶ所村で遅延

フランス北西部コタンタン半島に位置するラ・アーグ再処理工場は、高い塀や有刺鉄線に囲まれた厳重な施設である。東京ドーム64個分の広大な敷地(300ヘクタール)には、世界各国から運ばれてくる原子力発電所の使用済み核燃料が集められる。運営する仏オラノ社は詳細を明らかにしていないが、近くの丘には工場上空や周辺海域を監視するレーダーが設置されている。

厳重な警備体制と再処理のプロセス

工場の担当者は「訓練を受けた守衛が銃器を手に警戒しており、消防隊は人口3万人規模の地域に対応できるレベルだ。あらゆる事態を想定した対策を講じている」と強調する。この施設は、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出し、燃料として再使用可能にする再処理を担う拠点である。

12日に内部が公開され、金属製の容器に入って運ばれてきた使用済み核燃料を遠隔操作で取り出す部屋が紹介された。放射線を遮る厚さ1.2メートルの特殊なガラス越しに様子が確認できる。作業中の室内の放射線量は極めて高く、担当者は「この部屋は完成以来、一度も人が入ったことがない」と語った。搬入された使用済み核燃料は再処理されるまで、深さ9メートルのプールで冷却しながら保管される。再処理で生じる高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)は、ビュール村に建設予定の最終処分場で地下深くに埋められる計画だ。

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日本の六ヶ所村再処理工場の遅延

日本では、ラ・アーグを手本として設計された日本原燃の再処理工場が青森県六ヶ所村で整備中だが、稼働時期は見通せない。33年前に着工したが、完成時期は27回も延期されてきた。核のゴミを固める試験で度重なるトラブルが発生。2011年の東京電力福島第一原発事故を受けた新規制基準への対応でも、申請書の約3100ページで不備が見つかるなどのミスが相次いだ。

原子力規制委員会の前身である旧原子力安全・保安院で審議官を務めた根井寿規・政策研究大学院大名誉教授(エネルギー政策)は「技術的に簡単だろうという過信と、審査対応への甘さが完成を遅らせた要因だ」と指摘する。現在は今年度中の完成を目標にしているが、規制委の審査は続いている。

使用済み核燃料の保管状況と課題

六ヶ所村の再処理工場が完成していない影響で、各原発の燃料プールには使用済み核燃料がたまり続けている。国内17か所の原発の使用済み核燃料は、全体で保管可能容量の約8割(3月末現在)を占める。福井県では、関西電力大飯原発が91.6%、高浜原発が91.1%(4月末現在)に達し、それぞれ28~30年度頃に燃料プールが満杯になる見通しだ。同県は関電に県外搬出を求めており、関電は六ヶ所村再処理工場が26年度中に完成することを前提に、28年度からの搬出計画を県に示している。

高浜原発が立地する高浜町商工会の元会長田中康隆さん(70)は「県外搬出の見通しが立たなくなり、地元が原発の停止を求める状況に陥るのは良くない。県外搬出は事業者だけでなく、国や自治体も取り組むべき課題だ」と訴える。勝田忠広・明治大教授(原子力政策)は「仮に再処理工場が稼働しても、途中でトラブルが起きて長期的に停止するリスクはある。原発の敷地内に使用済み核燃料を長期保管する手法も議論すべきだ」と話す。

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