外国人の在留審査にかかる手数料の上限を大幅に引き上げる改正出入国管理及び難民認定法(入管難民法)が29日、参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。立憲民主党や共産党は「外国人住民や難民申請者に過重な負担を課し、社会からの排除を強めるものだ」として反対した。出入国在留管理庁は今後、在留期間に応じた手数料の具体的な金額を政令で定め、年度内に値上げを実施する方針だ。
手数料の上限が大幅に引き上げ
外国人が日本に滞在するためには、滞在目的に応じた在留資格が必要であり、定期的に更新しなければならない。現行法では、その審査にかかる手数料の上限は一律1万円と定められていた。しかし、改正法では在留資格の更新や変更の手数料上限を10万円、永住許可の手数料上限を30万円に引き上げることが可能となった。
実際に徴収する手数料の金額は今後決定される。現時点の方向性としては、在留期間が3カ月以下の場合は1万円、1年は3万円、3年は6万円、5年は7万円程度とされている。現在の6千円から大幅な値上げとなる見込みだ。
値上げの目的と使途
出入国在留管理庁は法改正の必要性について、在留外国人の増加に伴い外国人政策にかかる費用が膨らんでいるため、外国人に「受益者負担」を求めると説明している。値上げによって得られる歳入は、外国人が日本語や日本の制度・ルールを学ぶプログラムの策定や、「不法滞在者ゼロプラン」の推進などに充てるとしている。
野党や関係者から批判の声
野党からは「共生社会の実現に逆行する」との批判が上がっている。また、外国人支援団体などからは「高額な手数料は外国人の生活を根底から覆す」と懸念する声も出ている。難民申請者にとっては特に負担が大きく、申請を断念するケースが増える恐れがあると指摘されている。
政府は、手数料の値上げによって在留管理制度の適正化を図るとしているが、反対派は「排除を強める政策だ」として、今後も注視していく構えだ。



