神栖市長が当選無効裁決の取り消しを求め提訴
茨城県神栖市の木内敏之市長(65)が、県選挙管理委員会による当選無効裁決の取り消しを求め、東京高等裁判所に提訴したことが明らかになった。木内氏は28日に市内で記者会見を開き、無効とされた2票の有効性を主張するとともに、相手候補である前市長の石田進氏側にも無効票があると訴える意向を示した。提訴は27日付で行われている。
同数得票からくじ引きで当選も、再々点検で逆転
昨年11月の神栖市長選では、木内氏と石田氏がともに1万6724票を獲得し、同数得票となった。その後、くじ引きにより木内氏が当選したが、石田氏陣営が市選挙管理委員会に異議を申し立て、票の再点検が実施された。しかし結果は変わらず、石田氏は県選管に木内氏の当選無効を求める審査を申し立てた。県選管は異例の再々点検を実施し、焦点となったのは木内氏の票のうち「まんじゅうや」「だんごさん」と記載された2票だった。市選管は木内氏の親族が「木内製菓」を営んでいることから有効と判断したが、県選管は「これらの呼称が木内氏の通称として広く認知されているとは認められない」として無効と判断。さらに石田氏の1票も無効とし、最終的に石田氏1万6723票、木内氏1万6722票となり、木内氏の当選無効を裁決した。
木内氏「『まんじゅうや』と呼ばない者はいない」と反論
裁決を受け、木内氏は「神栖で私を『まんじゅうや』と呼ばない者はいない」と強く反論。裁判では無効とされた2票の有効性に加え、石田氏の一部の票が無効であることも主張する方針だ。記者会見では「私が『まんじゅうや』と呼ばれているかどうかの調査も県選管は行っていない」と批判し、過去の選挙で「まんじゅう屋のせがれです」などと有権者に呼びかけてきたことや、波崎地区で「だんごやさん」と呼ばれていたことを強調した。県選管が通称として使われている客観的証拠がないと判断したことに対し、木内氏は「呼び方の客観的証拠を具体的に示すのは非常に難しい」と指摘した。
市政への影響と今後の見通し
昨年12月の市長就任から約半年が経過し、市長選の争いは法廷に舞台を移すこととなった。市政の停滞や混乱を懸念する声がある中、木内氏は「ご心配やご迷惑をおかけしているところは私の不徳の致すところ。不安が起きないように公務を着実に遂行している」と強調した。一方、石田氏は「県選管が過去の判例を基に慎重な決定をしたことを重く受け止めている。高裁に提訴したことは市政の混乱が長く続き残念だ」とコメントした。今後の裁判の行方が注目される。



