少子化で赤字続く姫路独協大、譲渡交渉破談後に現金授受や接待発覚
少子化で赤字の姫路独協大、譲渡交渉破談後に現金授受

少子化の影響で定員割れに苦しむ私立大学が増加する中、兵庫県姫路市の姫路独協大学を巡り、運営法人である学校法人独協学園(埼玉県草加市)が譲渡交渉の過程で現金の受け渡しや会食接待が行われていたとして、第三者委員会を設置し調査を開始したことが明らかになった。経営難に陥った大学を巡る一連の出来事について、詳細が徐々に明らかになりつつある。

定員割れと経営難の実態

日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、2025年度の入学者が定員を下回った私立大学は全体の53.2%に達し、半数以上が定員割れを経験している。姫路独協大もその例外ではなく、医療保健学部や看護学部を擁するものの、2025年5月時点で学部生の収容定員1820人に対し、実際の在籍人数は816人にとどまった。前年春の入学者は定員の半数以下で、年間の赤字は約10億円に上る。

同大学は1987年、姫路市から15万平方メートルを超える市有地を無償で譲り受けて開学した。世界文化遺産の姫路城から北へ約4キロの場所に位置する。しかし、少子化の波に抗えず、2021年には姫路市に公立化を打診したが、「困難」との回答を受け断念。学園関係者によれば、仮に閉学を選択した場合でも、教職員の人件費などに100億円規模の費用が見込まれるため、まずは譲渡交渉を優先する方針となった。

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譲渡交渉の経緯と破談

複数の学園関係者への取材によると、独協学園は2024年2月、大学譲渡に向けて元警察官僚の個人と基本合意を結んだ。計画では、約1年半の間に新たな学校法人を設立し、その理事長に元官僚が就任する予定だった。しかし、実際の交渉を主導したのは、学校法人の経営や合併・買収に詳しいとされる別の男性だったと関係者は証言する。

交渉は難航し、1年半が経過しても新法人は設立されなかった。理事会からは交渉過程の不透明さを指摘する声が上がり、2025年9月に基本合意は解除された。

発覚したコンプライアンス違反

基本合意解除後、学園の内部調査で重大なコンプライアンス違反の疑いが浮上した。交渉を担当した学園の関係者が、男性との間で現金の受け渡しや高額な会食接待を行っていたことが判明。学園は直ちに第三者委員会を設置し、事実関係の詳細な調査を開始した。

独協学園は朝日新聞の取材に対し、「調査中であり、現時点での回答は差し控える」と文書で回答している。今後の調査結果によっては、法的な問題に発展する可能性も指摘されている。

私立大学を取り巻く厳しい現実

少子化の進行に伴い、多くの私立大学が経営難に直面している。定員割れが常態化し、赤字経営を余儀なくされる大学も少なくない。姫路独協大の事例は、こうした厳しい状況下で行われる大学譲渡交渉の実態と、その過程で生じるリスクを浮き彫りにしている。

関係者によると、姫路独協大の譲渡交渉は、経営難を打開するための最後の手段として進められた。しかし、交渉の不透明さとコンプライアンス違反の疑いにより、事態はさらに複雑化している。第三者委員会の調査結果が注目される。

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