埼玉県内で、サクラやウメの木を枯らす特定外来生物クビアカツヤカミキリの被害が拡大している。このまま被害が進めば、地域住民に親しまれてきた桜並木などが失われる恐れがある。被害の大きい自治体は、農薬の使用や防虫ネットの設置に加え、住民に奨励金を支給するなどして駆除への協力を呼びかけている。
被害の現状と拡大
草加市では2013年に初めて被害が確認され、その後年々拡大。現在は街路樹1500本のうち685本に被害が及んでいる。特に被害が大きいのは、桜の名所として知られる葛西用水沿いの桜並木で、市によると7~8割ほどにクビアカツヤカミキリの影響がみられる。市は農薬の注入や防虫ネットの設置で対応しているが、完全な除去は難しく、被害が進行した場合には伐採せざるを得ない状況だ。
クビアカツヤカミキリは中国やモンゴルなどに自然分布する体長25~40ミリの昆虫で、成虫はサクラやウメ、モモなどバラ科の木に産卵する。ふ化した幼虫は木の内部に侵入し、樹木を食べながら成長し、最終的に木を枯らしてしまう。国内では2012年に愛知県で初めて被害が確認され、埼玉県では13年に草加市と八潮市で確認された。18年度の調査では越谷市や熊谷市など計8市に拡大し、24年度調査では主に県北部と東部の44市町村に広がっている。さいたま市でも24年8月に初めて確認された。
自治体の対策と住民協力
こうした状況を受け、県や各市町村は住民に対し、成虫が産卵のために出てくる6~7月ごろに駆除するよう呼びかけている。一部の自治体は奨励金や報奨品を用意し、協力を求めている。
草加市
草加市は3年前から、5匹以上を駆除して市役所に持参した人に特製キーホルダーを贈呈している。また、今月14日と20日には市民団体による駆除体験会を開催する。
越谷市
越谷市は今月から、3匹駆除で木製マグネットか、はがきと鉛筆のセットをプレゼントしている。
越生町
関東三大梅林で知られる越生町は5月から、成虫10匹を捕殺すると500円分の商品券をもらえる制度を実施している。
川島町
川島町も今月から、成虫を1匹駆除するごとに100円を交付する制度を開始した。広域的な対応が必要として、駆除場所を町内に限らず県内全域としている。川島町の担当者は「すでに町内にも被害が広がり始めており、時間の猶予はない。多くの人に現状を知ってもらい、できるだけ早い段階で被害を抑え込みたい」と話している。



