国税庁は29日、2025年分の個人の確定申告状況を公表した。申告所得の合計額は前年比7.4%増の54兆9617億円に達し、バブル経済末期の1990~1991年に次ぐ過去3番目の水準となった。申告納税額も同6.6%増の4兆6897億円と増加している。
背景と要因
国税庁の担当者は「近年の賃金上昇や、副業など働き方の多様化が申告所得増加の一因と考えられる」と分析。特に、副業収入の申告が増えていることが全体を押し上げた可能性がある。
確定申告者数と電子申告の普及
確定申告者数は2353万人と前年並みで横ばい。そのうち77.1%にあたる1814万人が国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用した。一方、税務署などの申告会場を訪れた人は218万人と12.9%減少し、初めて全体の1割を下回った。
消費税申告も過去最高
個人事業者による消費税の申告件数は2.2%増の217万件、申告納税額は5.1%増の8416億円で、いずれも過去最高を更新。2023年10月のインボイス(適格請求書)制度導入以降、増加傾向が続いている。
税務署の対応変更
国税庁はe-Taxの普及を踏まえ、確定申告期間中の日曜日に税務署で実施してきた閉庁日の相談対応を廃止することを決定した。これにより、申告者の利便性向上と業務効率化を図る。
今回の結果は、経済活動の回復やデジタル化の進展を反映したものといえる。



