知人男性を東南アジアのニセ電話詐欺拠点で「かけ子」として働かせたとして、職業安定法違反(有害業務紹介)の罪に問われている無職の植杉颯被告(26)=静岡県富士宮市=の論告求刑公判が1日、静岡地裁で開かれました。検察側は懲役3年6月を求刑し、結審しました。判決は7月29日に言い渡される予定です。
起訴内容と経緯
起訴状などによりますと、植杉被告は2025年1月、県内に住む知人の男性を飛行機で海外に出国させ、共謀した何者かに詐欺の「かけ子」として紹介し、雇用させたとされています。この拠点は東南アジアにあり、ニセ電話詐欺の活動が行われていたとみられています。
被告の供述
植杉被告は被告人質問で、「男性がお金に困っていると聞いていたので話をした」と説明し、自身の利益については「全くない」と述べました。また、男性に対しては「自分が犯罪に関わることにつなげてしまって本当に申し訳ない」と謝罪の言葉を述べました。犯行当時、被告は前科の執行猶予中であり、その前科もニセ電話詐欺に関わるものでした。この点について問われると、「正直甘く考えていた。紹介しただけでそんなに深く関わっているという認識がなかった」と明かしました。
検察と弁護の主張
検察側は論告で、被告が男性とかけ子グループをつないだことから、「果たした役割やその結果は重大で、責任は重い」と指摘し、懲役3年6月を求刑しました。一方、弁護側は「被害者にも一定の利益があった。被告は経済的利益を受けていない」などとして、寛大な処置を求めました。
この事件は、ニセ電話詐欺の国際的な拠点に関与したケースとして注目されており、今後の判決が関連事件に影響を与える可能性があります。



