歯科医師、患者4人から1800万円超を詐取 初公判で「返済予定」と主張
千葉県千葉市中央区で歯科医院を経営していた歯科医師の高橋仁一被告(59)が、インプラント治療中の患者4人から合計1800万円以上をだまし取ったとして詐欺罪に問われた事件の初公判が27日、千葉地方裁判所で開かれた。被告は起訴内容を認めた上で「返済する予定だった」と述べ、故意性を否定する主張を行った。
高橋被告は「高橋デンタルオフィス」の元院長で、被害者はいずれも同医院に通院していた患者たち。検察側は冒頭陳述で、被告が債務返済に追われる中、患者に対し「インプラントメーカー主催の講演会に症例を提供すれば治療費が返還される」と虚偽の説明をし、2020年から2021年にかけて一時金名目で1人当たり200万円から1042万円を振り込ませたと指摘した。
被告人質問で被告は、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年ごろから経営が悪化したと説明。金融機関から既に約2億円の融資を受けていたため、不足分を闇金融や患者、親族から借りていたと明かした。また、顧問税理士などから計約3300万円をだまし取られたことも経営難に拍車をかけたと述べた。
被告は被害者について「治療に真剣だった」と語り、検察官からなぜだましたのか問われると「正直に『お金を貸してください』と言えなかった。日々の返済に追われ、判断の余裕がなかった」と釈明した。一方で、強く返済を迫ってきた別の患者には「金を返した」などと説明しており、裁判官から4人以外に嘘をついて金をだまし取った患者の人数を問われると「混乱していて分からない」と述べ、具体的な人数は明らかにならなかった。
証拠調べでは、被害者の供述調書が読み上げられた。200万円をだまし取られた女性(当時55歳)は「実績のある先生が嘘をつくとは思わなかったので信じた。厳罰を求めます」と訴えた。
被告の弁護側は、返済意思があったことや経営難という背景を考慮すべきだと主張。次回公判ではさらに詳しい事情が明らかになる見通し。



